ブラックホールにはどんな種類がある?大きさ・質量で比べてみよう

3種類のブラックホールがサイズ順に並んだリアルな宇宙ビジュアル。小さな恒星質量、中間的な中間質量、巨大な超大質量ブラックホールを、光のリングと暗黒の中心で表現した高解像度イメージ

「ブラックホールって、全部同じに見えるけど…実は種類があるの?」

そう思った人は、鋭い観察力の持ち主です。
実は、ブラックホールには大きさや重さによって分類される種類がいくつかあります。

この記事では、宇宙の中に存在するブラックホールのタイプを、大きさ・質量・発生場所などからわかりやすく解説します。

種類は大きく3つ!ブラックホールの基本分類

ブラックホールはその**質量(重さ)**によって、以下のように分類されます。

  • 恒星質量ブラックホール:太陽の数倍〜数十倍の重さ
  • 中間質量ブラックホール:太陽の数百〜数万倍
  • 超大質量ブラックホール:太陽の100万倍以上!

これらは、それぞれでき方宇宙のどこにあるかも違います。

ブラックホールを種類ごとに質量・大きさ・分類で比較した日本語図解。恒星質量・中間質量・超大質量の構造の違いを視覚的に解説

恒星質量ブラックホール|星の死が生む“小さな穴”

このタイプのブラックホールは、とても大きな星が寿命を迎えたあとにできます。

爆発(超新星爆発)を起こしたあと、残された中心部が自分の重力で押しつぶされてブラックホールになります。

  • 質量:太陽の3〜30倍程度
  • 大きさ:東京23区が入るくらいのサイズ
  • 出現場所:銀河の中の恒星系(わたしたちの近くにもありうる)

▶︎ 詳しい成り立ちはこちらの記事でも紹介しています
ブラックホールはどうやってできる?

中間質量ブラックホール|まだ“なぞ多き中間層”

このタイプは、その名の通り「中間的な重さのブラックホール」です。

  • 質量:太陽の100〜数万倍
  • 特徴:観測例がとても少ない
  • 出現場所:星団の中心、銀河の外れなど

最近の観測では「あるかもしれない」という証拠が増えてきていますが、はっきりした姿はまだとらえられていません。

科学者たちは、「超大質量ブラックホールの“赤ちゃん”かもしれない」とも考えています。

超大質量ブラックホール|銀河の中心にひとつだけ

このタイプは、**宇宙スケールで見ると“とてつもなく大きなブラックホール”**です。

  • 質量:太陽の数百万〜数十億倍
  • 大きさ:太陽系の中心に置いたら、冥王星まで飲み込めるサイズ
  • 出現場所:銀河の中心に必ずひとつあるとされる

わたしたちがいる天の川銀河の中心にも、「いて座A*(エースター)」と呼ばれる超大質量ブラックホールがあることがわかっています。

距離は地球からおよそ2万7000光年です(=とても遠い)。

ブラックホールが宇宙のどこで生まれるかを分類して示す日本語図。恒星の死・星団・銀河中心ごとに矢印とテキストでわかりやすく説明

じゃあ一番大きいブラックホールはどれ?

観測されている中で最大級のブラックホールは、TON 618という銀河の中心にある超大質量ブラックホールです。

その質量は、なんと太陽の660億倍以上!

もし地球の近くにあったら…と考えると怖くなりますが、実際は何十億光年も離れているので安心してください。

ブラックホールはどこにある?地球に影響ある?という人は、こちらをどうぞ
ブラックホールは地球に影響あるの?

親子トークタイム!子どもにこう話してみよう

「ブラックホールってね、全部同じに見えるけど、実は“重さ”や“どこでできたか”によって3つの種類に分かれるんだよ。」

「小さいのは星の最後にできて、大きいのは銀河のまんなかに1個だけあるんだって!」

「まだよくわかってない“中くらいのブラックホール”もあって、今まさに科学者たちが調べてるところなんだ。」

まとめ

ブラックホールとひとことで言っても、その姿は一つじゃありません。
重さや大きさによって、3つのタイプに分けられることがわかってきました。

星が命を終えるときに生まれるのが「恒星質量ブラックホール」。
まだ直接見つかっていないけれど、その存在が期待されているのが「中間質量ブラックホール」。
そして、銀河のど真ん中で悠然と構える、太陽の何百万倍もある「超大質量ブラックホール」。

それぞれが違う場所で生まれ、違うスケールで宇宙に影響を与えています。
今も世界中の科学者たちが望遠鏡を向け、新しい種類のブラックホールを探し続けているのです。

「同じに見えるものにも、こんなに違いがある」──
そんな発見を知ることは、宇宙だけじゃなく、自分の“見る目”を育てることにもつながります。

分類して比べることで、宇宙の広がりも、自分の興味も、どんどん深まっていく。
ブラックホールは、そんな“学ぶワクワク”の入り口なのです。

この投稿の筆者
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