宇宙には、生まれて、輝いて、そして消えていく「星の一生」があります。
その終わりに現れるのが、ブラックホール。
この記事では、星がどのようにしてブラックホールになるのかを、子どもにもわかるように、科学的にやさしく解説します。
ブラックホールは「星のなれの果て」
ブラックホールは、宇宙に突然現れる穴ではありません。
それはもともと大きな星が最後にたどり着く“終点”の一つなのです。
私たちが夜空に見るような星も、時間がたてば変化し、やがて命を終えます。
その中で、特に重い星だけがブラックホールになる可能性をもっています。
どんな星がブラックホールになるの?
ブラックホールになるためには、太陽の8倍以上の重さを持つ星である必要があります。
軽い星はブラックホールにはならず、白色矮星や中性子星として一生を終えます。

星の重さが“運命”を決める
- 太陽のような中くらいの星 → 白色矮星に
- 太陽の8〜20倍くらい → 中性子星になる可能性あり
- 太陽の20倍以上 → ブラックホールになる可能性が高い
宇宙では「重さ」が、その後の一生を大きく左右するのです。
星の一生とブラックホールの誕生

星は、宇宙に漂うガスとちりが集まって生まれます。
やがて中心で核融合が始まり、長い時間をかけて光と熱を放ち続けます。
しかし、やがてエネルギーを使い果たすと、星はバランスを崩して変化を始めます。
超新星爆発とブラックホールの誕生
とても重い星が最後を迎えると、「超新星爆発(スーパーノヴァ)」という宇宙で最もエネルギーの高い現象を起こします。
星の外側が爆発で吹き飛び、中心部に残った“芯”が自らの重力でつぶれます。
その結果、ものすごく小さくて重い、ブラックホールが誕生するのです。
ブラックホールと中性子星の分かれ道
ブラックホールになるか、中性子星になるかは、星の重さによって決まります。
中性子星は、ブラックホールほどではないものの、スプーン1杯で東京タワーほどの重さがある超高密度の天体です。
一方、もっと重い星は、それすら超えて、光さえ出られない“重力のかたまり”=ブラックホールになります。
ブラックホールができる瞬間は見える?
残念ながら、ブラックホールができる“その瞬間”を直接見ることは、現在の科学ではまだできていません。
なぜなら、ブラックホールは光を出さないため、見えないからです。
けれど、星が消えたように見える現象や、周囲の星の動きから、
「ここにブラックホールができたのでは?」と推測することはできるようになってきました。
2022年には、超新星爆発を起こさずに“突然暗くなって消えた星”が観測され、
これは「ブラックホールが静かに誕生したのかもしれない」と考えられています。
親子トークタイム!子どもにこう話してみよう
「お星さまもずっと光ってるわけじゃないんだ。エネルギーがなくなっちゃうと、最後には“ドカーン!”って大爆発して、自分の重さでギューっと押しつぶされることがあるの。
それが、なんでも引っぱる“ブラックホール”になるんだよ。」
星の一生にも“はじまりと終わり”があることを伝えると、子どもたちは宇宙をもっと身近に感じられます。
まとめ
- ブラックホールは、太陽の8倍以上の重さを持つ星が寿命を迎えたときに誕生する
- 星は超新星爆発を経て、中心部が押しつぶされてブラックホールになる
- 星の重さによって、中性子星になることもある
- ブラックホールができる瞬間を直接見るのは難しいが、間接的な証拠が増えている
- 星の命の終わり方を知ることは、宇宙の進化を学ぶ第一歩
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