ピラミッドとそっくりな形をした山が、日本にもあるって知っていますか?広島の葦嶽山や秋田の黒又山など、一部の山は「日本のピラミッド」と呼ばれてきました。「ほんとうに似てるの?」「誰かが作ったの?」そんなワクワクする疑問にこたえるため、この記事では、古代エジプトのピラミッドと日本の山々をいろいろな角度から比べてみます。
親子で山の写真を見ながら、「これもピラミッド?」と話してみると、自然の仕組みや文化の違いもぐっと身近になります。
ピラミッドに見える日本の山たち
「日本のピラミッド」と呼ばれる代表格が、広島県の葦嶽山です。きれいな三角すい型の山で、1930年代には古代遺跡説まで登場しました。山頂には大きな石が点在していて、「何か意味があるのでは」と注目されることもあります。
秋田の黒又山も同様に、「人工的に積み上げられたのでは?」と語られてきました。さらに岩手県の五葉山や早池峰山も、形の整った山として知られています。どれも確かに見た目はピラミッドそっくりです。

三角すい型は自然がつくる?
どうしてこんなにピラミッドに似ているのでしょうか?それは、火山の噴火による溶岩の流れ方や、雨風による長い時間の浸食が関係しています。たとえば火山は、マグマが中心から吹き出して冷えて固まると、自然に山が対称的な形になります。これが、まるで人がデザインしたような「美しい山」を作り出しているのです。
つまり、似ているように見えるのは、自然が偶然つくったカタチということになります。
文化や信仰の共通点も
エジプトのピラミッドは王や神をまつる神聖な建物。日本の三角すいの山々も、古代から「神が宿る山」として信仰の対象でした。山頂には神社が建てられたり、巨石が祀られたりしていて、そこに意味や物語を感じた人々が多かったのでしょう。
そう考えると、形だけでなく、「神聖なもの」として見てきた心の動きにも共通点があります。
ピラミッドとの大きなちがい

比較するポイント | 日本の三角すいの山 | エジプトのピラミッド |
---|---|---|
でき方 | 火山活動や浸食による自然地形 | 石を切って積み上げた人工建築 |
目的 | 神聖な山としての信仰対象 | 王の墓や権力の象徴として建造 |
中の構造 | 地層がそのまま、中は詰まっている | 通路・墓室など人の手による内部設計あり |
記録 | 昔の言い伝えが中心で記録は少ない | 建設記録や労働者の落書きなど豊富に残る |
こうして比べてみると、見た目は似ていても、でき方も目的もまったく違うことが分かります。
ピラミッドの基本が知りたくなったら?
ピラミッドそのものについての成り立ちや歴史が気になったら、こちらの記事でくわしく学べます。
親子トークタイム!子どもに伝える方法
山とピラミッド、どっちも三角だけど、なにがちがうのかな?子どもと一緒に「似てる」「でもちがう」という視点で話すと、形を見る力が育ちます。
子どもにこう話してみよう!
山がピラミッドみたいに見えるのは、自然が長い時間をかけてけずったからできた形なんだ
ピラミッドは、昔の人たちが石を何万個も積み上げて作ったんだよ
見た目はそっくりでも、どうやってできたかを知るとちがいがよくわかるね
どっちも神さまの場所だったっていうのは、なんか不思議で面白いね
まとめ
ピラミッドのように見える日本の山は、実はすべて自然が作り出したものです。火山活動や浸食が、まるで人の手が入ったような三角すいの形を生み出したのです。
エジプトのピラミッドとは、素材も目的も内部構造も異なりますが、どちらも人々にとって「特別な場所」であったことは同じです。
親子で山の写真を見たり、地図を広げたりしながら、「これって自然?人工?」と話し合えば、身の回りの世界を見る目がぐんと育っていきます。ピラミッドをきっかけに、自然と文化、そして想像力の世界へ、さあ出発です!