地球には海があります。広い空も、大気も、命もあります。
では、宇宙には“地球に似たような水の惑星”があるのでしょうか?
答えは「あるかもしれない」。
しかもその惑星は、海だけでできている“水の塊”のような星かもしれないのです。
この記事では、そんな“海の惑星”と呼ばれる天体について、科学的な視点とともに紹介していきます。
「水の惑星」ってどんな星?

私たちが暮らす地球は、表面の約7割が水におおわれています。
けれど、水はあくまで“表面の一部”であって、地球の中身のほとんどは岩石や金属などの固体です。
ところが、宇宙には“水でできた星”があるかもしれないという説があります。
それが、「GJ 1214 b(ジーエル 1214ビー)」という星です。
この惑星は、地球からおよそ40光年の距離にあって、太陽のような恒星のまわりをぐるぐる回っています。
GJ 1214 bの特徴
- 大きさは地球の約2.6倍
- 重さは約6倍
- 表面温度は100〜300℃ほど(推定)
- とても濃い大気に包まれている
この星は、地球型でも木星型でもなく、その中間くらいの性質を持っています。
もっとも注目されているのが、「水の割合」です。
GJ 1214 bは、表面だけでなく星全体の半分以上が“水成分”かもしれないという研究結果があります。
つまり、“底なしの海”のような星が存在するかもしれないのです。
地球の海とどう違う?
GJ 1214 bにもし海があるとしたら、それは地球の海とはまったくちがうものです。
なぜなら、この星の大気圧や温度はとても高く、
水は私たちの知っている「液体の水」ではなく、**“高温高圧のスーパークリティカル水”**という特別な状態になっていると考えられています。
さらにその下には、氷よりもかたい「高圧氷」が存在する可能性もあります。
上から順に:
- 厚い雲の層
- 蒸気のような水の層
- 高温高圧の水の海
- かたい氷の核
こんなふうに、水だけでも何層にも分かれているかもしれないのです。
親子トークタイム!子どもに伝える方法
「水だけでできた星があるかもしれない」という話は、子どもの想像力を大きくふくらませてくれます。
こんな問いかけから始めてみるのがおすすめです:
- 地球の海って、どれくらい深いか知ってる?
- 水だけでできた星に船を浮かべたらどうなると思う?
- その海には空気はあるかな?生き物は住めるかな?
そこから、「水はどんな状態に変わるのか」「温度や圧力って何?」といった科学の話に自然につなげることができます。
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水がある=地球に似ている、とは限らない
水があるというだけで、つい「地球に似ている星かも」と思いたくなりますよね。
でも実際には、その星の大気、温度、重力、圧力などによって、水の姿やふるまいはまったく違ってしまいます。
見た目は似ていても、環境はぜんぜんちがう。
そこに気づくことも、科学的に物事を見る第一歩です。
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まとめ:宇宙の“地球っぽい星”は、じつはすごく変わっているかもしれない
GJ 1214 bのような水の惑星は、「地球に似ていそう」と注目されることが多い天体です。
でも、似ているからこそ、ちがいを知ることがとても面白いのです。
宇宙には、見た目はシンプルでも、内側には想像をこえる環境をもつ星がまだまだたくさんあります。
“海の惑星”をきっかけに、子どもと一緒にいろんな星のことを探ってみるのもいいかもしれません。