ニュースや授業などでよく耳にする「DNA」という言葉。
「人それぞれのDNA」「DNA鑑定でわかる」など、なにか大事な“体の情報”が入っていそうな言葉ですよね。
でも実際、「DNAってなに?」「遺伝子や染色体とどう違うの?」と聞かれると、うまく答えられない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、DNAとは何か、遺伝子や染色体とどう違うのかを、わかりやすく解説します。
親子で一緒に、体の中の不思議な“情報のしくみ”を学んでみましょう。
参照:理化学研究所|DNAの基本構造に新たな発見(2019年)
DNAとは何か?
DNAとは、「デオキシリボ核酸(DeoxyriboNucleic Acid)」の略で、体の中で使われる“設計図”のようなものです。
私たちの体は約37兆個の細胞からできていますが、その1つ1つの細胞の中にDNAが入っていて、「どんな体になるか」「どんな働きをするか」を決める情報が書かれています。
このDNAは、「A(アデニン)」「T(チミン)」「G(グアニン)」「C(シトシン)」という4つの文字のような“塩基”の並びで情報を記録しています。
そしてDNAは、「二重らせん(ねじれたはしごのような形)」という独特の構造をしていることでも有名です。
遺伝子ってなに?
**遺伝子とは、DNAの中にある“情報のまとまり”**のことです。
DNAの中には、細胞の中で作るたんぱく質や体の働きを決めるための情報が、部分ごとに記録されています。そのひとつひとつの“意味のある情報のかたまり”を遺伝子と呼びます。
つまり、
- DNA=情報が書いてある“全体の本”
- 遺伝子=その本の中の“1章1章”
と考えると、イメージしやすくなります。
染色体ってなに?
DNAはとても細く長いひも状の物質なので、そのままでは細胞に収まりません。
そこで、DNAはたんぱく質(ヒストン)とからまりながら、ギュッと巻かれてコンパクトにまとめられています。
そのまとまった状態のものが染色体です。
染色体は細胞分裂のときにだけよく見えるようになります。人間の場合は、1つの細胞に46本の染色体があり、その中にすべてのDNA情報が入っています。
3つのちがいをまとめると…
用語 | 役割 | イメージ |
---|---|---|
DNA | 情報を記録している物質(本全体) | 情報の原本 |
遺伝子 | DNAの中の、意味のある部分(章やページ) | 特定の指示 |
染色体 | DNAをコンパクトにまとめた形 | 本を束ねたファイル |
つまり、「染色体の中にDNAがあって、その中に遺伝子がある」という関係です。
親子トークタイム!子供に伝える方法
DNAは、学校の理科で初めて出てくるとき「難しそう…」と感じる子も多い言葉です。でも、「設計図」や「情報が書いてある本」など、身近なたとえを使えば、ぐっとイメージしやすくなります。
子供にこう話してみよう!
DNAは、体の中にある「自分ってどんな体か」を決める設計図だよ。
その設計図にはいろんな情報が書いてあって、そのひとつひとつが“遺伝子”なんだ。
それをちゃんと折りたたんで、細胞の中にしまっておくために、“染色体”っていうケースにまとめてるんだよ。
だから、染色体の中にDNAがあって、その中に遺伝子があるんだね!
もし時間があれば、ねじれたはしごの模型を紙とストローで作ってみると、DNAの形がもっとよくわかるよ。
DNAの世界を体験しよう!親子で楽しむ本格自由研究キット
DNAってすごい。でも「もっと自分の手で見てみたい」「体験してみたい」と思ったことはありませんか?
そんな人にぴったりなのが、学研の自由研究おたすけキット『DNAを調べよう』です。
このキットを使えば、自分の口の中からDNAを取り出す実験が、たった1日でできちゃいます。
薬品や器具はすべてそろっていて、動画を見ながらかんたんに進められるので、はじめてでも安心。
植物や果物、人間から取り出したDNAを観察して、生命のふしぎを“目で見る”ことができます。
さらに、まとめ方がわかる実例レポートつきで、夏休みの自由研究にもぴったり。
知識を深めるだけでなく、家族で一緒に学ぶ体験としてもおすすめです。
まとめ
・DNAは、体の中の「情報」を記録する物質で、細胞の中にある
・遺伝子は、DNAの中で“特定の働きを持つ部分”のこと
・染色体は、DNAをたんぱく質と一緒に巻いてまとめたかたち
・「染色体の中にDNA、DNAの中に遺伝子」という入れ子構造になっている
・DNAは“体の設計図”であり、誰もが持っている大切な情報資源