トロッコ問題は、哲学の世界でよく知られた思考実験です。
しかし近年では、ゲームやアニメ、Webブラウザ上の体験型コンテンツとしても広く親しまれるようになりました。
「もし線路の先に5人がいて、そのままだとひかれてしまう。でもレバーを引けば、別の1人の命が犠牲になる」──
そんな究極の選択を、実際に自分で操作しながら体験できるのが「トロッコ問題ゲーム」の魅力です。
本記事では、無料で遊べるトロッコ問題系ゲームや、有名作品「トロッコ問題 of アルマゲドン」などを紹介しながら、分岐・エンディングの意味を解説していきます。
哲学を遊びながら体験し、子どもと一緒に「命とは何か?」を考えるきっかけにもなるこのテーマ。
ぜひ最後まで読んで、ゲームを通じて倫理について楽しく学んでみてください。
また、トロッコ問題そのものの意味や哲学的な背景について知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。
トロッコ問題がゲームになる理由とは?
一見、哲学的な問いにすぎないように思えるトロッコ問題が、なぜゲーム化されているのでしょうか?
それは、「選択肢をプレイヤーにゆだねる」という構造が、インタラクティブな体験と非常に相性が良いからです。
選んだ道によって展開が変わる「分岐シナリオ」、結果によって評価が変わる「マルチエンディング」──
これらは、トロッコ問題という思考実験を感覚的に理解するための優れた手法です。
さらに、心理テスト的要素も組み込まれているゲームも多く、単なるエンタメではなく「自分の倫理観を知る」ことにもつながります。
話題作「トロッコ問題 of アルマゲドン」とは?
なかでも注目されているのが、「トロッコ問題 of アルマゲドン」という名前のブラウザゲームです。
SNSなどでも話題となり、哲学や倫理をテーマにした作品としては異例の人気を集めました。
プレイヤーは、複数の状況の中から選択を繰り返していく形式で進行します。
分岐ごとにシナリオが変化し、最終的にたどり着くエンディングも異なります。
特徴的なのは、単純な「5人 vs 1人」の構図にとどまらず、「自分が犠牲になる」「全員を助けようとする」など、より複雑でリアルな選択肢が登場する点です。
ユーモラスなキャラクター表現やセリフが使われており、重たいテーマを扱いながらも、親しみやすい世界観に仕上げられています。
トロッコ問題ゲームの分岐とエンディングのパターン

トロッコ問題を扱うゲームでは、次のような分岐がよく登場します。
1. 功利主義的選択(多数を助ける)
最も多くの命が助かるように行動する選択肢です。
一見「正解」に見えますが、少数の犠牲を自分の意志で選ぶという点で、心理的負担は大きくなります。
2. 義務論的選択(行動しない)
「自分は手を出さず、自然の流れに任せるべき」という考えです。
レバーを引かず、5人がひかれてしまう結末になります。
3. 自己犠牲・第三の道
「自分が犠牲になれば全員を救える」という選択も一部のゲームでは登場します。
ヒーロー的ですが、現実的には選びにくい選択肢でもあります。
4. 全員を助けようとする(失敗する場合も)
無理をして誰も犠牲にしないルートを選ぶと、結果的に全員が助からないケースも描かれています。
5. 予想外のユーモア展開
一部のエンディングでは、哲学的な重さを逆手に取ったギャグ的な展開も存在します。
こうした軽妙さが、若いユーザー層にも広く受け入れられている理由の一つです。
無料で遊べるトロッコ問題系ゲームの特徴
無料で提供されているトロッコ問題系ゲームには、いくつかの共通した特徴があります。
- ブラウザでプレイ可能(インストール不要)
- 選択肢を選ぶだけのシンプル操作
- 複数の分岐・エンディングを実装
- 思考の傾向を診断するコメントや評価付き
- SNSシェアを想定した軽快なUIと演出
こうした工夫によって、子どもから大人まで誰でも気軽に楽しめる仕組みになっています。
ゲームを通して考える「倫理」と「命の重さ」
ゲームという形式をとることで、トロッコ問題は「楽しく学べる」コンテンツになります。
しかし、そこで問いかけられているのは、まぎれもなく本質的な「命の選択」というテーマです。
ゲームをクリアしても「これが正しい」という答えが出るわけではありません。
それでも、自分の選択の根拠を考える中で、私たちは倫理について深く考えることになります。
AIや自動運転といった現代の技術問題にも応用されるトロッコ問題。
その根底には、「命をどう扱うか」という普遍的な問いがあるのです。
もし、AIの視点でトロッコ問題がどう扱われているか気になる方は、こちらの記事もご覧ください。
親子トークタイム!子供に伝える方法
トロッコ問題ゲームは、子どもにとっても考える価値のあるテーマです。
ただし、「命を選ぶ」内容なので、話し方には工夫が必要です。
子どもが怖がったり、混乱したりしないよう、ゲーム感覚で問いを投げかけつつ、あくまで「考えること自体に意味がある」というスタンスで対話していきましょう。
子供にこう話してみよう!
「もしね、トロッコっていう乗り物があって、そのまま進むと5人にぶつかっちゃうの。
でも、レバーを引くと別の線路に行って、1人にぶつかっちゃうかもしれない。
どうする?どっちに行くのがいいと思う?」
そう聞いてみて、「なんでそう思ったの?」と理由を聞いてみるだけでも、子どもなりの視点が見えてきます。
正解を求めるのではなく、「そう考えたのはすごいね」「その考え方もあるよね」と、選択に対して受け止める姿勢を大切にしてください。
まとめ
トロッコ問題をテーマにしたゲームは、倫理や命の重さを考える貴重なきっかけになります。
無料で遊べるものも多く、子どもと一緒に考えるにはぴったりの教材でもあります。
選択肢やエンディングには「正解」はありません。
ですが、選んだ後に「なぜそうしたのか?」を考えることで、価値観や道徳観が自然と深まっていきます。
トロッコ問題そのものの意味を詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
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