「変な夢を見たよ」「怖い夢だったの…」
子どもが夢の話をしてきたとき、あなたはどう答えますか?
夢は、大人だけでなく子どもにとっても心の鏡のような存在です。
そして夢を通じて、脳の成長や心の動きが見えてくることもあるのです。
この記事では、子どもの夢の特徴や、親子で夢を話す価値を、脳科学と心理の視点からやさしく解説します。
子どもが見る夢の特徴とは?

子どもは大人よりも鮮やかで強烈な夢を見ることがあります。
それは、子どもの脳が発達の真っ最中だからです。
発達と夢の関係
年齢 | 夢の傾向 |
---|---|
幼児期(3〜5歳) | 登場人物が少ない・自分中心の夢が多い |
小学生(6〜12歳) | 物語的な構造ができてくる・感情が強く出る |
思春期以降 | 現実と空想の区別が明確に。社会性を反映した夢も増える |
夢の中では、日中に感じたこと・見たもの・心配ごとが自由な形で表現されます。
まだ言葉でうまく感情を説明できない年齢の子ほど、夢が心の状態を“代弁”していることがあるのです。
よくある子どもの夢とその背景
1. 追いかけられる夢
不安やプレッシャー、恐怖感の表れ。
保育園・学校・習いごとなど新しい環境が影響することも。
2. 家族やペットがいなくなる夢
愛着・依存の強さが出ている。
「自分が大切な人と離れてしまう」ことへの不安を反映。
3. 飛んでいる夢・空を舞う夢
自由への憧れ、想像力の発散。
嬉しいことや、冒険心が刺激されたときに見やすい。
夢の意味を「当てる」必要はありませんが、その子の心がどう動いているかを知るヒントになります。
夢を共有することの大切さ
夢は子どもが自分の心を表現する“練習の場”とも言えます。
だからこそ、夢を語ることは感情理解・語彙力・自己認識の向上にもつながります。
親ができること
- 否定せず、最後まで「へぇ〜」「それで?」と聞く
- 一緒に想像して「どんな気持ちだった?」「○○はどんな顔だった?」と広げてみる
- 寝る前の時間に「今日、どんなことが楽しかった?不安だった?」と自然に誘導
夢は、子どもが自分の心と向き合うための**“内なる絵本”**のようなもの。
それを一緒に読む時間は、親子の信頼関係を深めてくれます。
夢の内容に不安を感じたら?
繰り返し悪夢を見る、内容が極端に暴力的・不安定、日常生活に影響を及ぼすなどの場合は、心のストレスが強いサインかもしれません。
- 日中のストレス要因がないか見直す
- 寝る前のメディア・刺激の整理
- 必要があれば学校や専門機関に相談
特に「悪夢とストレスの関係」は、子どもにも起こりうることとして注目されています。
親子トークタイム!子どもにこう話してみよう
「夢ってね、脳が1日のことをふりかえって、自分でも気づいてなかった気持ちを思い出してるんだって。楽しい夢も、ちょっと怖い夢も、ぜんぶ君の“心の絵”みたいなものなんだよ。一緒に見た夢の話、聞かせてくれるとうれしいな。」
まとめ
- 子どもは想像力と感情が豊かなので、夢にも心の動きが表れやすい
- 年齢や発達段階によって、夢の内容や意味が変化する
- 夢を共有することは、心の理解と親子関係の深まりにつながる
- 子どもの夢を丁寧に聞くことで、安心感や自己表現が育つ
夢は、子どもからの“言葉にならないメッセージ”。
その声に耳をすませることで、子どもの世界を一緒に旅することができます。