モアイ像といえば、イースター島を思い浮かべる人が多いかもしれません。
けれど実は、日本にも本物のモアイ像があるのをご存知でしょうか?
この記事では、なぜ日本の宮崎県にモアイ像があるのか、どんな経緯でやってきたのかを歴史的背景とともにやさしく解説します。
モアイ像はなぜ日本にあるの?
モアイ像があるのは、宮崎県日南市のサンメッセ日南という施設です。
ここには、7体のモアイ像が海に向かって立ち並んでいます。
このモアイ像たちは、チリ政府とイースター島のラパ・ヌイ長老会議から正式な許可を得て復元された、世界で唯一のレプリカです。
ただの観光オブジェではなく、本物と同じ素材・技術・工程でつくられた正規のモアイ像という点が大きな特徴です。
なぜ宮崎に?きっかけは日本の技術支援

イースター島にある多くのモアイ像は、長い年月の中で倒れたり損傷したりしています。
その中でもとくに有名な場所が、アフ・アキビという7体のモアイ像が並ぶ聖地です。
1992年、チリ地震の被害で倒れていたアフ・アキビの修復プロジェクトに、日本の石材技術者が参加しました。
彼らの尽力によって、見事に7体のモアイ像が立ち上がったのです。
この活動が評価され、感謝のしるしとしてモアイ像を日本に復元設置することが認められたのが、サンメッセ日南の始まりでした。
サンメッセ日南のモアイ像の意味

ここに建てられた7体のモアイ像は、それぞれに意味が込められています。
- 健康
- 恋愛運
- 幸運
- 結婚運
- 金運
- 学力向上
- 仕事運
訪れた人たちは、それぞれの像を触って願いごとをすることができます。
モアイ像が“見守る存在”であるという文化が、ここでも大切に受け継がれているのです。
このようなモアイ像の意味については、以下の記事でも詳しく解説しています。
▶︎ なぜモアイ像は作られたのか?その意味と目的をわかりやすく解説
日本のモアイ像は本物なの?
「レプリカでしょ?」と思うかもしれませんが、サンメッセ日南のモアイ像は単なる複製ではありません。
- 本物と同じ火山岩を使用
- ラパ・ヌイ島の石工たちの監修
- 精度と構造もオリジナルに忠実
この条件がそろっているのは、世界で唯一ここだけです。
さらに、サンメッセ日南は、ラパ・ヌイの文化継承を支援する国際協力拠点でもあります。
観光地としてだけでなく、文化的・教育的な価値を持った施設なのです。
実際に見に行ける日本のモアイ像
サンメッセ日南は、宮崎県の海沿いにある観光施設で、実際にモアイ像を間近で見ることができます。
太平洋を見渡す丘の上に立ち並ぶモアイ像は、イースター島に行かなくてもそのスケールと雰囲気を体感できる場所として人気です。
- 所在地:宮崎県日南市宮浦2650
- 開館時間:9:30〜17:00(年中無休)
- 入場料:高校生以上 1,000円(2025年現在)
家族で訪れるのにもぴったりの学びと発見があるスポットです。
他にも日本にモアイ像はある?
宮崎以外にも、モアイ像のレプリカが飾られている場所はあります。
たとえば、東京・渋谷の「モヤイ像」などが有名ですが、これはモアイ像とは別のデザイン・目的で設置された彫刻です。
「本物と認められたモアイ像」は、日本ではサンメッセ日南だけという点で特別な存在となっています。
親子トークタイム!日本のモアイ像をどう伝える?
子どもに話すときは、まずこう聞いてみてください。
「モアイ像って、日本にもあるって知ってた?」
そこから、「なんで?」という疑問に答えていくと、自然と文化や国際協力の話に広げていけます。
「昔、イースター島のモアイ像が倒れちゃってね、日本の石の職人さんたちが修理を手伝ったんだよ」
「そのお礼として、本物と同じモアイ像を日本に作っていいよって許可をもらったんだって!」
「モアイって、“見守ってくれる存在”なんだよ。だから日本でも、願いをこめて見に行く人が多いんだ」
国と国、人と人とのつながりを、文化を通して感じるチャンスになります。
まとめ
モアイ像はチリ領・イースター島のものとして知られていますが、日本にも正式な復元像が存在します。
その背景には、日本の技術者による修復支援という歴史的なエピソードがあり、サンメッセ日南のモアイ像は、チリ政府とイースター島の認可を得た世界唯一の復元モアイ像です。
見守りの象徴として立つモアイ像は、地球の裏側と日本をつなぐ“文化のかけ橋”でもあります。
また、そもそもモアイ像がどこにあるのかを知りたい方はこちらをどうぞ。
▶︎ モアイ像はどこにあるの?地球のはしっこ“イースター島”の秘密