モアイ像は、世界中で知られる神秘的な石像です。その特徴的な顔や大きな体は、多くの人の印象に残ります。
けれど、「モアイ像がどこにあるのか」「なぜそんな場所に建てられたのか」と聞かれて、すぐに答えられる人は少ないかもしれません。
この記事では、モアイ像のある場所や島の特徴、世界遺産に選ばれた理由などを、子どもにもわかりやすいかたちで紹介します。
モアイ像があるのはどこ?
モアイ像は、南太平洋の孤島・イースター島にあります。
イースター島は、南米チリの西、約3,700kmの海上に位置する島で、周囲にほとんど陸地のない、世界でもっとも孤立した有人島のひとつです。

地図で見ると、太平洋の真ん中にぽつんと存在しており、まさに「地球のはしっこ」と呼ぶにふさわしい場所です。
イースター島の正式名称は「ラパ・ヌイ島」。
現在はチリ領で、言語や文化はポリネシア系の影響を受けています。
イースター島とはどんな場所?
この島は、火山によってつくられた島で、面積は約160平方キロメートル。東京23区のおよそ4分の1ほどの広さです。
人口は約7,000人。主に観光業で成り立っており、モアイ像を目当てに世界中から人々が訪れます。
現在、島の中にはおよそ900体のモアイ像が確認されています。多くは海岸線に沿って並び、村の方角を向いて建てられています。
なぜモアイ像はこの島にあるのか
モアイ像は、ラパ・ヌイの先住民たちがつくった石像で、祖先の霊を表すものとされています。
彼らは、祖先の魂が村や人々を守ってくれると信じており、その信仰のもとでモアイ像を建て続けました。

モアイ像は、そのほとんどが陸側を向いているのが特徴です。
これは、村の人々に向かって見守るように立てられているためです。
世界遺産に登録された理由
イースター島とそのモアイ像群は、1995年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
その理由は、先住民の信仰と技術、そしてそれらを石に刻み込んだ文化的価値の高さにあります。
さらに、孤立した島でありながら高度な石造技術をもっていたという点が、世界的に評価されています。
イースター島の文化は一時期、森林伐採や人口減少などの影響で衰退しました。
しかし現在では、島の人々と研究者たちの手で保護活動が進められており、モアイ像の修復や再建も行われています。
モアイ像はどうやって作られたのか

モアイ像は、島の火山で採れた凝灰岩という柔らかい石を削って作られています。
一体の像の高さは平均で4メートル、重さは10トン以上にもなります。
これだけの巨大な石像をどうやって島のあちこちに運んだのか――
この謎は長年研究されてきました。
現在有力とされている説は、「歩かせるように揺らして運んだ」というもの。
実験では、左右に引っ張ることでモアイ像がゆらゆらと“歩く”ように前進することが確認されています。
この動きに関しては、別の記事で詳しく紹介しています
▶︎ モアイ像はどうやって運んだ?“歩いた石像”の謎に迫る
モアイ像は何体あるの?
イースター島には、現在までに確認されているだけでもおよそ900体のモアイ像があります。
中には未完成のまま残されたものや、倒れたままのものもあり、島のいたるところにその痕跡を見ることができます。
最大のモアイ像は、高さ10メートル以上、重さは80トンを超えるものもあります。
イースター島に行くには?
イースター島はとても遠くにあり、日本からの直行便はありません。
基本的にはチリの首都サンティアゴから飛行機でアクセスします。フライト時間は約5時間です。
地球の反対側にあるような場所ですが、その神秘さと歴史の深さから、一生に一度は訪れてみたいという人も多い観光地です。
また、「行ってみたいけど行けない」という人にも、日本国内でモアイ像に触れられる場所があります。
それが、宮崎県日南市のサンメッセ日南です。
詳細は別記事で紹介しています:
モアイ像と日本の関係って?なぜ宮崎にあるの?
https://think-with-kids.com/moai-japan
親子トークタイム!子どもにこう話してみよう
「モアイ像はね、地球のはしっこにある“イースター島”という島に立ってるんだ。海の真ん中にポツンとあって、そこに何百体もの大きな石像がならんでるんだよ。」
「モアイは、昔の人たちが村の人を守ってくれるって信じて建てたものなんだって。まるで石のおじいちゃんが、みんなを見守ってくれてるみたいだね。」
まとめ
モアイ像のある場所、それは南太平洋に浮かぶイースター島。チリの国土に属し、海に囲まれたその島には、約900体もの石像が立ち並んでいます。
祖先信仰を背景に建てられたモアイ像は、世界的な文化遺産として今も多くの人を惹きつけています。
「どこにあるの?」という素朴な疑問をきっかけに、地理・歴史・文化を学べるモアイ像は、まさに知的な冒険の入り口です。