「ブラックホールに近づくと、時間が止まるって本当?」 それは、子どもだけでなく、大人もワクワクしてしまう宇宙の謎。
この記事では、アインシュタインの相対性理論をベースに、なぜブラックホールで時間がゆっくり進むのか、そして本当に“止まってしまう”のかを、親子で楽しく学べるように解説します。
時間が止まるってどういうこと?
「時間が止まる」というのは、実は“見え方”の問題でもあります。
ブラックホールのような重力がとても強い場所では、時間の流れそのものが遅くなるのです。 これはアインシュタインの一般相対性理論によって説明される現象で、「重力が強いほど時間がゆっくり進む」という法則があります。
地球とブラックホールの違い
地球にも重力があります。でも私たちがふだん感じるほどの重力では、時間の差はほとんどありません。
ところが、ブラックホールの重力は**“無限に近い”レベル**。 この強さの中では、時間の進み方が、外に比べて極端に遅くなります。
たとえば、ブラックホールの近くにいる人の1秒が、遠くにいる人には何年にも感じられるかもしれないのです。
ブラックホールのそばではどう見える?
外から見ると「止まったように見える」
もし誰かがブラックホールに近づいていったとしましょう。 その様子を遠くから見ていると、その人の動きはだんだん遅くなり、事象の地平線の手前でピタッと止まったように見えます。
なぜなら、時間が限りなく遅くなっていくからです。
本人にはどう感じる?
でも、本人からすると「時間が止まった」なんて感覚はありません。 本人の中では普通に時間が進んでいて、ブラックホールの中へと進んでいるように感じます。
このように、「時間が止まる」というのは見る位置によって変わる現象なのです。

重力が時間をゆがめるしくみ
ブラックホールは、宇宙の中でもっとも強い重力を持つ場所です。
この強い重力は、「時空(じくう)」──つまり空間と時間の両方をゆがめてしまうのです。 これが相対性理論の核心です。
重力が強いほど、時間が遅くなる。 だから、ブラックホールのような場所では、“極限まで”時間の流れがゆっくりになるのです。

時間が“止まる”って、実際にはどういうこと?
科学的には、「時間が完全に止まる」かどうかはまだわかっていません。
でも少なくとも、私たちの時計では計れないくらい、時間の流れが遅くなるということは、理論的にも観測的にも確かめられつつあります。
たとえば、GPS衛星は地上よりも弱い重力の中を飛んでいます。 そのため、地球上の時計とほんの少しだけ時間の流れがズレているのです。 (この差を補正しないと、正確な位置情報が出せません)
これはまさに、「重力が時間に影響を与える」証拠のひとつ。
ブラックホールでは、それが極端なかたちで起きていると考えられています。
親子トークタイム!子どもにこう話してみよう
「ブラックホールの近くではね、時間がすごーくゆっくりになるんだよ。 たとえばブラックホールに落ちていく人を遠くから見ると、“あれ?止まってる?”って思うくらい、ゆっくりに見えるんだ。 でも本人の中では、ちゃんと時間が進んでるの。不思議だよね!」
「重力が強すぎると、時間も空間も曲がっちゃうんだよ。だからブラックホールって、宇宙の中でもとびきり変わった場所なんだ。」
まとめ
ブラックホールの重力は、時間の流れを遅くする力を持っている
これはアインシュタインの相対性理論で説明される、れっきとした科学的現象
外から見ると、ブラックホールに近づく人は時間が止まったように見える
でも本人には、時間は普通に進んでいるように感じられる
“時間が止まる”という言葉の裏には、見る側と体験する側の視点の違いがある
関連記事
▼ ブラックホールとは?
https://think-with-kids.com/blackhole-explained
▼ ブラックホールの中ってどうなってるの?
https://think-with-kids.com/blackhole-inside
▼ ブラックホールはなんでも吸い込むの?
https://think-with-kids.com/blackhole-gravity