ブラックホールは「光も逃げられないほど強い重力を持つ場所」。
では、その中はどうなっているのでしょうか?
この記事では、ブラックホールの中身・特異点・時間の流れのふしぎについて、科学と想像のあいだを探るように、親子でわかりやすく解説します。
ブラックホールの中は“見えない宇宙”
私たちは、ブラックホールの外側は観測できます。
でも、中に何があるのかは、誰も見たことがありません。
その理由はシンプル。
ブラックホールの“境界線”である「事象の地平線」を超えると、光も、情報も、外へ出てこられないからです。
特異点(とくいてん)とは何か?

ブラックホールの中には、**「特異点」**と呼ばれる場所があると考えられています。
これは、すべての質量が一点に集中し、重さはあるのに大きさがない、というとても不思議な場所です。
なぜ「特異」なの?
- 通常の物理法則が通用しない
- 空間も時間も“無限に曲がっている”状態
- 科学者でも、正確に説明できる人はいない
つまり、「わかっていない」ということがわかっている。
それが、特異点の正体なのです。
時間は止まるのか?
重力が強い場所では、時間が遅くなる──これはアインシュタインの相対性理論で示された事実です。
ブラックホールの中では、その重力が“無限”に近くなるため、時間はほとんど止まってしまうと考えられています。
たとえばこんなイメージ
もしあなたがブラックホールに落ちていったら…
外から見ている人には、あなたの動きがだんだん遅くなり、やがて止まったように見えるかもしれません。
けれど、本人は落ちていくことに気づかない。
まさに、「時間のひずみ」の中に入ってしまうのです。

どうして中が見えないの?
それは、ブラックホールの“境界”である「事象の地平線」が関係しています。
この境界より内側では、光も含めてすべての情報が外に出られなくなるため、望遠鏡でも観測できません。
つまり、「見ようとしても、見えない構造」になっているのです。
中に入ったらどうなるの?
ブラックホールの中に人が入ったらどうなるのか──それは、多くの科学者や作家が想像をめぐらせてきたテーマです。
- 重力差で体が引き伸ばされて“スパゲッティ化”する
- 時間が止まり、意識だけが永遠に漂う
- 別の宇宙につながっているかもしれない(ホワイトホール説)
答えは出ていませんが、**今ある理論の中では、「中に入ったら出てこられない」**という点だけが確かです。
親子トークタイム!子どもにこう話してみよう
「ブラックホールの中には、重さがギューって集まった“点”があるんだよ。
そこは、重力が強すぎて、光も出られないし、時間も止まっちゃうんだ。
だから、私たちには中が見えない。でも、宇宙に本当にあるんだって、科学者たちが証拠を見つけたんだよ。」
「見えないけど、ある」ことの不思議は、子どもにとって宇宙への興味を広げる入口になります。
まとめ
- ブラックホールの中には「特異点」があるとされており、物理法則が通じない
- 事象の地平線を越えると、光も情報も外に出てこられない
- 重力の影響で、時間がほとんど止まる
- ブラックホール内部は“見えないが、存在する”ことが証明されている
- 科学の限界と、想像の世界が出会う場所。それがブラックホールの中