宇宙には「光すら逃げられない場所」があります。
それがブラックホール。私たちの目には見えませんが、科学者たちはその“影”を世界で初めて写真におさめました。
ブラックホールは「なんでも吸い込む謎の穴」ではありません。
この記事では、ブラックホールの正体、でき方、重力の仕組み、地球との距離などを、子どもと一緒に学べる形で、科学的に正確に解説します。
ブラックホールは本当にある?
2019年、国際プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」が、史上初となるブラックホールの撮影に成功しました。
それは、地球から5500万光年離れた「M87銀河」の中心にある超巨大ブラックホールです。

この写真は、日本の国立天文台も参加した大規模プロジェクトの成果です。
ブラックホールは、想像ではなく「本当に存在する」と証明されたのです。
ブラックホールってなに?
ブラックホールは、**ものすごく重い星が自分の重さで押しつぶされた“重力のかたまり”**です。
その重力が強すぎて、光さえも逃げられません。だから“ブラック=見えない”のです。
ブラックホールの中はどうなってる?
中心には「特異点(とくいてん)」という、重さはあるけど大きさがゼロのような空間があると考えられています。
そのまわりを「事象の地平線」が取り囲んでおり、それを越えると外には出られなくなります。

どうやってできる?星の最期に生まれるブラックホール
ブラックホールは、とても重い星が寿命を迎えたときに誕生します。
星は核融合のエネルギーが尽きると、超新星爆発という大爆発を起こします。
そのあと、残された中心部がつぶれてできるのがブラックホールです。

▶︎ ブラックホールはどうやってできる?星の死と誕生のしくみ
なぜなんでも吸い込むの?
ブラックホールの周囲には「事象の地平線」と呼ばれる境界線があります。
ここを越えると、光も情報も脱出できなくなるのです。
でも、遠くから見れば重力はふつうの星と同じ。
つまり「近づきすぎたら戻れない」だけで、「なんでも無差別に吸い込む」わけではありません。
ブラックホールの種類って?
科学者たちは、ブラックホールを以下のように分類しています。
- 恒星質量ブラックホール:太陽の3〜20倍程度の重さ
- 中間質量ブラックホール:100〜10万倍。観測は少ないが存在が示唆されている
- 超大質量ブラックホール:銀河の中心にある、太陽の100万倍以上の巨大ブラックホール

地球に影響はあるの?
いいえ、まったく心配いりません。
観測されたブラックホール(M87)は地球から約5500万光年も離れています。
しかもブラックホールは「近づきすぎなければ安全」。遠くにある限り、地球には影響がありません。

ブラックホールに入ったらどうなるの?【FAQ】
時間も空間も歪んで、“無限”が始まる世界。人間の科学でも完全にはわかっていません。
銀河の中心、遠くの宇宙にたくさんあります。地球のそばにはありません。
2019年、写真が撮影され、存在が確実になりました。
親子トークタイム!子どもにどう伝える?
「すっごく重い星が、自分の重さでぺしゃんこにつぶれちゃって、なんでも引っぱる場所ができたんだよ。そこに近づきすぎると、光も、時間も、出てこれなくなっちゃうんだ。でも安心して。地球にはぜんぜん関係ないほど遠いんだよ。」
子どもの「なぜ?」に、楽しく、自信を持って答えられる会話が始まります。
まとめ
- ブラックホールは、光すら逃げられないほど重力が強い天体
- 2019年に初めて写真が撮られ、存在が証明された
- 星の寿命の終わりに生まれる“宇宙の最終形”のひとつ
- 地球には影響なし。宇宙の壮大さを知る入口になる存在
- 親子で学べば、科学がもっと楽しくなる
関連記事
ブラックホールはどうやってできる?
ブラックホールの中ってどうなってるの?
なぜブラックホールはなんでも吸い込むの?
ブラックホールは地球に影響あるの?