「オーロラって日本でも見えるの?」
そんな素朴な疑問を持ったことはありませんか?オーロラといえば北欧やカナダのイメージが強いですが、実は日本でも見られることがあります。
この記事では、「日本でオーロラが見えるかどうか」に焦点を当てて、観測された実例、見えるための条件、2024〜2025年の最新情報、日本国内の観測チャンスやおすすめ地域までを、科学的にわかりやすく解説します。
日本でオーロラは見られるのか?
結論:めったにないが、「見えることはある」
日本は北緯24〜45度の中緯度地域にあり、オーロラの主要発生域であるオーロラ帯(北緯65〜70度)からは離れています。通常、オーロラは見られません。
しかし、特定の条件が揃うと、**北海道や東北の一部地域でオーロラが観測されることがあります。**それがいわゆる「低緯度オーロラ」です。
観測された日本のオーロラ実例

以下は、実際に日本でオーロラが目撃・記録された年と場所です。
- 1958年2月11日:北海道全域で赤いオーロラが記録(史上最大級の太陽嵐)
- 1989年3月14日:青森県から関東北部まで、低緯度赤色オーロラが出現
- 2003年10月31日:北海道・東北北部で再び観測
- 2023年10月〜11月:北海道稚内・網走で微弱な赤色オーロラを観測(ニュース報道あり)
これらはすべて、太陽の活動(太陽フレア・磁気嵐)と深く関係しています。詳しくは以下の記事でも解説しています:
👉 オーロラと太陽フレアの関係とは?
低緯度オーロラとは?
「低緯度オーロラ」とは、オーロラ帯以外の地域、つまり日本のような比較的南にある場所で観測されるオーロラのことを指します。
特徴:
- 色は赤系が多い(高高度で酸素と反応)
- ぼんやりと空全体が赤く染まることが多く、北欧のような「緑のカーテン型」ではない
- 動きはあまりなく、写真でようやく判別できることもある
- 夜の遅い時間(23時〜翌3時)に出現しやすい
こうした特徴も、通常のオーロラとの違いとして押さえておきましょう。
オーロラの色の違いについては以下でも詳しく紹介しています
👉 オーロラの色が変わるのはなぜ?
オーロラが見られる場所(日本国内)
オーロラの出現可能性が高い(=比較的高緯度な)日本の地域は次の通りです。
北海道エリア
- 稚内市
- 網走市
- 根室市
- 斜里町(知床周辺)
- トマム・占冠など、光害の少ない内陸部
東北地方(まれ)
- 青森県(下北・津軽)
- 岩手県北部(八幡平周辺)
これらの地域は、空が暗く、北の方角が開けている場所が特に有望です。
観測地選びの参考にはこちらの記事もおすすめ:
👉 オーロラを見るにはいつどこがベスト?
オーロラが日本で見える条件とは?
以下のような気象・地磁気・環境条件が重なると、日本でオーロラを観測できる可能性が高まります。
- 強い磁気嵐が起こっている(Kp指数が7以上)
- 月明かりが少ない新月前後(夜空が暗い)
- 空が晴れていて、湿度が低い(秋〜冬がベスト)
- 北の空が見える場所(人工光が少ない)
- 太陽活動が活発な時期(2024〜2025年はまさにその時期)
2024〜2025年、日本でオーロラは見える?
はい、「チャンスあり」です。
2024年から2025年にかけては、太陽活動の11年周期の中でも「極大期」にあたる年です。
この時期は、太陽フレアやコロナ質量放出(CME)が頻発し、地球に届く太陽風も強くなります。
つまり、磁気嵐の発生確率が高く、日本でも低緯度オーロラが出現する可能性が過去より高いのです。
リアルタイムでオーロラ情報を追うには
- 国立極地研究所オーロラ情報
- NOAA(アメリカ海洋大気庁)のスペースウェザーセンター
- 「オーロラ速報」系のX(旧Twitter)アカウント
親子トークタイム!子どもにどう伝える?
日本でオーロラが見えるかもしれない――それだけで、子どもたちはワクワクするはずです。
以下のような言葉で伝えてみましょう。
「オーロラって、ふつうは外国でしか見られないけど、すごく特別な夜には日本の空にも現れることがあるんだよ」
「太陽から飛んできた粒が、空のてっぺんで赤く光るなんて、なんだか宇宙とお話してるみたいだよね」
観測チャンスのときは、夜空を一緒に見上げてみてください。空を見つめる時間が、宇宙への興味や科学のきっかけになるかもしれません。
家でもオーロラが見られる?親子で楽しむ“光の旅”
「日本ではなかなかオーロラが見られない」と聞いて、少し残念に感じた方へ——
今は、おうちの中でオーロラ体験ができる時代です。
近年人気なのが、オーロラを投影できる家庭用プラネタリウム。
天井や壁に幻想的な光が広がり、まるで極地にいるような気分を味わえます。
寝る前の親子時間に、ちょっとした“宇宙の旅”はいかがですか?
まとめ
- 日本でもオーロラは見えることがある(特に北海道や東北の北部地域)
- 赤くぼんやりとした“低緯度オーロラ”が出現することがある
- 太陽活動の活発さ・磁気嵐の強さ・気象条件などが揃えば観測の可能性あり
- 2024〜2025年は11年周期の極大期にあたり、チャンスの年
- 「見える場所」と「見えるとき」を知っておくことが大切
日本でオーロラを見ることは簡単ではありません。けれど、「めったにない」からこそ、そのチャンスに立ち会えた時の感動は計り知れません。
ぜひ親子で、夜空の下に立ち、奇跡の瞬間にそなえておきましょう。