「えっ、運転手がいないタクシーが本当に走ってるの?」
そんな声が聞こえてきそうですが、これはもうSFの話ではありません。
海外ではすでに実用化が始まり、日本でも実証実験が進んでいます。未来のタクシーが現実のものになろうとしているのです。
この記事では、自動運転タクシーのしくみ、世界と日本の進捗、乗れる場所、料金、安全性、そして課題までを、親子で学べる形でやさしく解説します。
自動運転タクシーってどんなもの?
自動運転タクシーとは、人のドライバーがいない状態でお客さんを乗せて走る車のことです。
車は搭載されたカメラやセンサー、GPS、AIによって周囲の状況を判断し、目的地まで自動で走行します。
このタイプの車は「ロボタクシー」とも呼ばれ、ロボタクシーの実用化は、自動運転技術の中でもとくに注目されています。
現在のロボタクシーは、「レベル4」と呼ばれる段階の技術が使われており、特定のエリア・ルート・条件下であれば、完全に人の操作なしで運行されます。
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日本の自動運転タクシーは今どこまで進んでる?
日本では、2025年現在、完全に無人で走るロボタクシーの商用サービスはまだ始まっていません。
ただし、複数の企業と自治体が、実用化に向けた実証実験や制度整備を急速に進めている段階です。
国内の主な動き
ホンダとアメリカのGMが出資する「クルーズ」は、2026年に東京都心部でロボタクシーの運行を始める計画を発表しています。車両は完全自動運転専用設計の「クルーズ・オリジン」が使われる予定です。
また日産は、横浜市と連携して2025年から無人の自動運転タクシーの実証実験を開始しました。都市の複雑な環境に対応できるかどうかを、カメラ・レーダー・LiDARなどの高性能センサーを使って検証しています。
そのほか、ティアフォーやBOLDLYなどのベンチャー企業も、地域密着型のタクシー型自動運転車を各地でテストしています。
世界の自動運転タクシーはどこまで進んでる?
日本より一歩先を進んでいるのがアメリカや中国の都市です。
アメリカでは、Google系のWaymoがフェニックスやサンフランシスコなどでロボタクシーを運行しています。アプリで呼ぶと、完全に無人の車が到着し、目的地まで自動で運んでくれます。
同じくアメリカのCruiseも、すでに複数の都市でロボタクシーの運行を開始しており、エリアを広げています。
中国では、IT大手の百度(バイドゥ)が「Apollo Go」というサービス名で、北京や武漢で無人タクシーを商用運行中です。
料金や乗り方はどうなってるの?
日本での料金はまだ未定ですが、アメリカや中国では一般のタクシーとほぼ同じか、やや安くなる傾向があります。
たとえばWaymoでは初乗り約400円ほどで、アプリで呼び出してキャッシュレス決済が可能です。将来的には、誰でもスマホで呼べて、安心して乗れる「公共サービス」に近い存在になると期待されています。
自動運転タクシーの課題と事故リスク
技術は進んでいますが、解決すべき課題もたくさんあります。
・突然の飛び出しや渋滞など、予期できない状況への対応
・事故が起きたとき、責任は誰にあるのか
・高齢者や子どもが乗るときの安全確認
・法制度がまだ整っていない国や地域が多い
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親子トークタイム!子どもに伝える方法
タクシーは、子どもにとってもよく知っている乗り物だからこそ、「人がいないのに動く」という話はとても興味を引きます。
そこから、「便利だけど、安心はどう守るの?」「責任って誰が持つの?」という社会的なテーマにもつながります。
子どもにこう話してみよう!
「未来のタクシーはね、人が運転しないかもしれないんだよ。」
「アメリカでは、スマホで呼んだら無人の車が迎えに来て、どこにもぶつからずに目的地まで走ってくれるんだ。」
「でも、もし何かが起きたらどうなるのかな?だれが責任をとるんだろう?」
「便利な技術ほど、“ちゃんと使うってどういうことか”を考えるのが大切なんだよ。」
まとめ
自動運転タクシーは、アメリカや中国ではすでに現実のサービスになり、日本でもいよいよ実用化が見えてきました。
移動がもっと自由に、もっと安全にできる可能性がある一方で、事故や責任、安全性のルールなどの課題も残っています。
だからこそ、子どもと一緒に「もしも自動運転タクシーに乗るなら、どんなことに気をつけたらいい?」という視点で未来の移動を考えてみることが大切です。
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