テンセグリティ──それはまるで「宙に浮いている」ように見える不思議な構造。
テレビやYouTubeで見たことはあるけれど、どうして浮いているのか分からないという方も多いでしょう。
この記事では、テンセグリティの意味、構造、力の仕組み、応用例、そして家庭で体験できる方法まで、子どもと一緒に楽しく学べるようにわかりやすく解説します。
テンセグリティとは?
テンセグリティ(Tensegrity)は、「Tension=張力」と「Integrity=統合(完全性)」を組み合わせた造語です。
これは、「引っ張る力」と「押し返す力」が同時に働きながら、形を安定させている構造です。
見るからに不思議なその見た目から、芸術・建築・科学の分野で注目を集めています。
構造と原理を徹底解説|なぜ浮いて見えるのか?
テンセグリティは、「張力材」と「圧縮材」の組み合わせで成り立っています。
● 張力材と圧縮材の関係
- 張力材(糸・ワイヤーなど):内側に向かって引っ張る力を発揮
- 圧縮材(棒・柱など):外に向かって押し返す力を維持
このふたつの力が同時に働き、全体のバランスをとって形が崩れないように支えています。
ポイントは、棒同士が直接接触していないことです。すべての力が、張られた糸を介して伝わることで構造が成立します。

● 力の流れと安定性の理由
テンセグリティは、一部の素材が力を支えるのではなく、すべての部材が全方向から釣り合いながら支え合っています。
たとえば「3本棒のテンセグリティ」では:
- 棒の重さが下にかかる
- 糸がそれを下から引っ張る
- 同時に上の糸が棒を引き上げてバランスをとる
- この力の応酬が、構造を浮かせて安定させている
結果として、「宙に浮いて見える」「不思議と崩れない」形が生まれます。
この力のネットワークが**動的平衡(バランス)**を生んでおり、構造が柔軟かつ強固になるのです。

どこで使われている?テンセグリティの実用例
建築やアート
テンセグリティは、軽量で耐久性に優れた構造のため、モダン建築や展示施設で利用されています。
東京大学柏キャンパスの「ホワイトライノⅡ」などもその代表例です。
詳しくはこちら
→ テンセグリティ家具|浮かぶ椅子やテーブルの仕組み
宇宙開発やロボット工学
NASAはテンセグリティ構造を採用したロボット「SUPERball」を開発中です。
着陸時の衝撃に強く、どの角度で落下しても壊れにくい特性が注目されています。
人体構造と医療分野
実は、私たちの体もテンセグリティ構造でできていると言われています。
骨と筋肉、腱が引っ張り・押し返すバランスを保ち、立ったり動いたりできるのです。
この考え方は「バイオテンセグリティ」と呼ばれ、リハビリや整体にも応用されています。
家で楽しむテンセグリティ|自由研究にもおすすめ
テンセグリティは、見ているだけではもったいない。
自分の手で作ることで、その不思議な構造を体験することができます。
親子で一緒に挑戦してみませんか?
→ テンセグリティの作り方|親子でDIY
知育にもぴったりなテンセグリティ工作キット
ZHGONG 組み立てブロック玩具を構築する反重力デバイス、クリエイティブ・テンセグリティ彫刻小説物理学の…
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市販されているテンセグリティ工作キットは、組み立てを通して原理を理解するのに最適です。
特に「ZHGONG 組み立てブロック玩具」は、6歳以上の子ども向けに設計されており、遊びながら構造を学べる知育アイテムです。
自由研究やプレゼントにもおすすめです。
Amazonなどで「テンセグリティ 工作 おもちゃ」で検索してみてください。
親子トークタイム!子どもに伝えるテンセグリティ
子どもにこう話してみよう!
「テンセグリティってね、糸と棒だけで浮いてるみたいな不思議な形なんだ。
糸が引っぱって、棒が押し返すことで、お互いにバランスを取ってるから倒れないんだよ。
橋や宇宙のロボット、わたしたちの体にも使われているんだって!」
小さな子にも“おもしろい”“不思議”を伝えることで、科学への好奇心が自然に芽生えます。
まとめ
テンセグリティは、張力と圧縮力が同時に働くことで成立する、軽くて強い革新的な構造です。
- 見た目がユニークでインパクト大
- 建築・医療・宇宙・アートなど応用範囲が広い
- 親子で学べる体験教材としても優秀
不思議な「浮いて見える構造」の裏にある科学を、親子で体験しながら学んでみてください。