テレビの地震速報で、「マグニチュード6.8」「震度5強」といった表現を目にすることがあります。
でも、「マグニチュード」と「震度」は何が違うのでしょうか? 同じ地震でも地域によって揺れ方が違うのはなぜなのでしょうか?
この記事では、マグニチュードと震度の違いをやさしく解説し、子どもにもわかりやすく伝えるヒントも紹介します。防災意識を高める第一歩として、親子で地震の仕組みを学びましょう。
参照:気象庁「震度とは?」
マグニチュードとは? 地震そのものの「エネルギーの大きさ」
「マグニチュード(M)」は、地震が発生したときに放出されるエネルギーの大きさを表す数値です。
数字が1大きくなると、エネルギーは約32倍にもなります。
たとえば、
- M5.0の地震
- M6.0の地震 → エネルギーはM5.0の約32倍
- M7.0の地震 → M6.0のさらに約32倍
つまり、マグニチュードは「どれくらい大きな地震が起きたのか」を示す指標であり、地球全体で共通のスケールです。
ただし、マグニチュードが大きくても、揺れを強く感じない場所もあることに注意が必要です。
震度とは? 観測地点で感じる「揺れの強さ」
一方、「震度」は、地震が発生したあとに、ある場所でどれくらい揺れたかを示すものです。気象庁の震度階級は0〜7まであり、さらに「5弱」「5強」「6弱」「6強」と細かく分けられています。
震度は地震のエネルギーだけでなく、地盤の状態や建物の構造、その場所から震源までの距離などに左右されるため、同じ地震でも地域ごとに違う数値になります。
たとえば、
- 同じM6.5の地震でも…
- 震源の近くの都市A:震度6弱
- 遠くの都市B:震度3
- 地盤の弱い都市C:震度5強になることも
つまり、**震度は「その場所で人が体感する揺れの強さ」**と考えるとよいでしょう。
震度はどうやって決まるの?
震度は、全国に設置された「震度計」で自動的に観測されています。
この震度計は、地面の加速度(1秒間にどれだけ速く動いたか)や揺れの継続時間、振動の特性などをもとに、「計算式」によって震度を出しています。
計算式は公表されておらず、気象庁が長年の観測データをもとに設計したアルゴリズムによって自動算出されます。
人が「体で感じる震度」とかなり近い結果になるように設計されているため、速報としての信頼性は非常に高いとされています。
なぜ「大きな地震=大きな揺れ」ではないのか?
マグニチュードが大きくても、震源が深かったり、観測地点から遠かったりすると、揺れは弱く感じます。
また、同じマグニチュードの地震でも、都市の地盤が軟らかいと揺れが増幅されて震度が大きくなることがあります。
このように、地震の「規模」と「体感」は必ずしも一致しないため、両方の指標をセットで理解することが大切です。
親子トークタイム!子供に伝える方法
地震の大きさと揺れの違いは、身近な例えを使って伝えると理解が深まります。日常生活の体験と結びつけてあげることで、子どもが興味を持ちやすくなります。
子供にこう話してみよう!
地震ってね、火山の「ドーン!」みたいにエネルギーが出ることなんだ。マグニチュードはその「ドーン!」の強さで、震度は「そのときに自分の家がどれくらいガタガタ揺れたか」っていう感じなんだよ。
たとえば、遠くの大きな雷は音だけ聞こえるけど、近くで小さい雷が落ちたらビックリするでしょ? 地震もそれにちょっと似てるんだよ。
図や模型を使って、震源と観測地点の距離の違いを見せるのも効果的です。
まとめ
・マグニチュードは地震のエネルギーの大きさを示す指標
・震度は各地で実際に感じた揺れの強さを表す数値
・同じ地震でも、地盤・建物・距離などにより震度は変わる
・地震の被害を正しく判断するには、マグニチュードと震度の両方を見ることが大切
・親子で地震の仕組みを理解することで、防災への意識も自然と高まる