指の先にある“ぐるぐる”や“線の模様”。
普段あまり気にしないけれど、実はこの「指紋」は、自分だけの特別なサインのようなものです。
スマホのロック解除や警察の捜査でも活躍している指紋。
この記事では、「そもそも指紋とは何か?」「なぜ一人ひとり違うのか?」という基本から、科学的な仕組みと私たちの体との関係を、親子で一緒に学べるようにわかりやすく紹介します。
指紋とは?
指紋とは、指の腹にある皮膚の模様のことです。
この模様は「隆線(りゅうせん)」と呼ばれる線の集まりで、皮膚の表面に凹凸を作っています。
この模様は、生まれる前からできていて、一生変わることはありません。
この線は、物をつかむときにすべりにくくする役割を持ちます。
また、汗や皮脂が指紋の溝から出て、触ったものに「あと」として残ります。これが「指紋がつく」仕組みです。
指紋の役割ってなに?
指紋には、大きく分けて3つの働きがあります。
- ものをしっかりつかむ
線の凹凸によって摩擦が増し、ツルツルしたものでもすべりにくくなります。 - 感覚を伝えやすくする
指紋の溝があることで、皮膚の下の神経が細かい刺激を感じ取りやすくなります。 - 個人の識別ができる
指紋は、一人ひとりまったく違うため、本人確認や犯罪捜査にも使われています。
指紋はどうやってできるの?
指紋は、お母さんのおなかの中にいるとき、妊娠3〜5か月ごろに皮膚が作られる過程で生まれます。
皮膚の表面と下の層との“ひっぱりあい”や、成長のスピードのちがいなどによって自然に模様ができます。
しかも、同じお母さんから生まれた一卵性双生児でも、指紋はまったく同じにはなりません。
それくらい、環境や成長のちょっとした違いが影響するのです。
なぜ人によって違うの?
指紋が一人ひとり違うのは、遺伝+環境の両方が関係しています。
- 遺伝(DNA)の情報が、指の形や皮膚の性質に影響
- 胎内の位置、羊水の圧力、皮膚への刺激などの環境要因が模様に影響
これによって、まったく同じ指紋になる確率は1兆分の1以下といわれています。
まさに「世界にひとつだけの模様」です。
指紋は変わる?なくなる?
基本的に、指紋は一生変わりません。
けれども、やけどや深いけがなどで皮膚の奥まで傷ついた場合、模様が一部消えてしまうこともあります。
また、加齢や手荒れなどで、一時的に指紋が見えにくくなることもありますが、皮膚が治ればまた元に戻ることがほとんどです。
【おやこトークタイム!】子どもに伝える方法
指紋は、体にいつのまにかできているけれど、実はとても大切なしくみ。
子どもには、「自分の体のなかにある“秘密のサイン”」として興味を持ってもらうのがコツです。
子どもにこう話してみよう
手の先を見てごらん。ぐるぐるとか、線が見えるでしょ?
それが「指紋」っていってね、人によってみんな違うんだよ。
生まれる前にできて、一生変わらないんだ。
スマホを開くときや、警察の人が犯人を探すときにも、この指紋を使うんだよ。
自分の指紋、見てみたくない?
自分の指紋を観察してみよう!
指紋の模様には「渦巻き」「弓形」「流れるような形」など、いくつかのタイプがあります。
まずは親子で自分の指紋を観察してみましょう。
ティッシュやセロテープと鉛筆でも簡単に観察できますが、もっと本格的にやってみたいなら、こんなキットもあります。
自由研究にぴったり!
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ガイドブックやレポート見本もついて、夏休みの自由研究にもぴったり!
まとめ
- 指紋とは、指の先にある皮膚の線の模様のこと
- 指紋は生まれる前にでき、一生変わらない
- 一人ひとり違う理由は、遺伝と環境の両方が影響しているから
- 指紋には、物をつかむ・感覚を伝える・本人確認に使えるという役割がある
- 親子で観察したり、実験したりすることで、体の不思議をもっと知るきっかけになる