ワクチンに使われている成分について、「体に悪いのでは?」「添加物が心配」と感じたことはありませんか?とくに、子どもに接種させる際には、不安になる保護者の方も多いと思います。
この記事では、ワクチンに含まれる主な成分や目的、そして「アジュバント」「防腐剤」などの添加物が本当に安全なのか、最新の科学的知見に基づいてやさしく解説します。
親子で正しく理解し、安心して予防接種に向き合えるようサポートする内容です。
ワクチンの主な成分とは?
ワクチンは大きく分けて、以下の3つの要素から構成されています。
- 抗原(こうげん)
ウイルスや細菌など、病気の原因となる物質の一部。これにより、免疫が「敵」を覚えることができます。
不活化(死んだ病原体)や、成分の一部だけを使用したタイプがあります。 - アジュバント
抗原の働きを助けて、免疫をより強く引き出すための補助成分です。微量の金属(アルミニウム塩など)が使用されることがあり、数十年にわたり安全性が検証されています。 - 添加物(防腐剤・安定剤など)
ワクチンの品質を保ち、細菌の混入を防ぐための成分です。チメロサール(有機水銀化合物)などが使われることもありますが、現在では含まれない、または極めて微量で使用されるものが多くなっています。
参照:厚生労働省|予防接種Q&A – ワクチンに含まれる成分
アジュバントは安全なの?
アジュバントは、抗原の効果を高める役割を果たす重要な成分です。最も一般的に使われているのが「アルミニウム塩」ですが、これは何十年にもわたり多くのワクチンで使用されてきました。
体内に入る量は極めて少なく、食べ物や水から日常的に摂取しているアルミニウムの量よりもはるかに少ないとされています。また、腎機能が正常な人では、数日以内に尿として排出されることがわかっています。
科学的な研究では、アルミニウムを含むワクチンが健康に長期的な悪影響を与える証拠は見つかっていません。
防腐剤はなぜ必要なのか?
ワクチンは細菌やウイルスが混入すると重大な問題を引き起こすため、防腐剤が必要とされてきました。
とくに多く使われてきた「チメロサール」は、エチル水銀という形で体に入りますが、メチル水銀(魚介類に含まれる水銀)とは異なり、体内に長くとどまらずに速やかに排出されます。
現在では、乳幼児用の多くのワクチンにおいて、チメロサールは使用されていないか、ごく微量に抑えられており、安全性に配慮されています。
卵アレルギーがあると打てないの?
一部のワクチンは、製造過程で「鶏卵」を使って培養されることがあります。そのため、卵アレルギーのある方が接種を受けても大丈夫なのかという疑問がよくあります。
実際には、インフルエンザワクチンなどで卵由来の成分が微量に含まれる場合がありますが、厚生労働省や小児科学会では、「軽度の卵アレルギーであれば通常どおり接種可能」としています。過去に強いアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こしたことがある場合は、医師と相談しながら対応することが推奨されます。
科学的に検証された安全性
ワクチンのすべての成分は、開発段階で動物実験や臨床試験などを通じて、安全性と有効性が細かく検証されています。また、接種後の副反応や健康影響についても継続的に監視されています。
ワクチンの成分に対して不安を持つことは自然な感情ですが、正確な情報を知ることで、「必要な理由」と「安全な理由」の両方を理解することができます。
親子トークタイム!子供に伝える方法
「成分」や「添加物」という言葉は、大人でも難しく感じることがあります。でも、ワクチンがどんなふうに作られていて、なぜ安心できるのかを、生活の中の例に置きかえて伝えると、子どもにもわかりやすくなります。
子供にこう話してみよう!
ワクチンはね、体にとって「ばい菌の練習問題」みたいなものなんだ。でも、その練習問題を届けるときに、ちゃんときれいな紙に包んで、途中でくさったりしないように工夫が必要なんだよ。だから、ちょっとだけ「保存するもの」とか「助けるもの」が入ってるけど、それもちゃんと安全かどうか何回も確認されてるんだ。
まとめ
・ワクチンには「抗原」「アジュバント」「防腐剤」などが含まれている
・アジュバントは免疫を助ける補助成分で、安全性も高い
・防腐剤は品質維持のために使われるが、使用量は極めて少ない
・卵アレルギーがあっても、ほとんどの人が問題なく接種できる
・ワクチンの成分はすべて科学的に安全性が検証されている