「車検の制度が変わるって聞いたけど、どう変わるの?」「今より高くなる?面倒になる?」そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
2025年4月から始まる新しい車検制度は、車の持ち主にとっても、整備工場などの業界にとっても、これまでのやり方を見直す大きな転換点です。この記事では、変更点とその背景、そして私たちユーザーがどんな影響を受けるのかを、できるだけわかりやすく解説します。
どこがどう変わる?新制度のポイント
これまでの車検制度では、車検は「満了日の1か月前」から受けられる決まりになっていました。たとえば、車検の満了日が7月31日だった場合、6月30日から車検を受けることができ、それより前は不可。
しかし、2025年4月1日からはこのルールが変更され、「満了日の2か月前」から車検を受けられるようになります。つまり、先ほどの例なら5月31日から受検できるというわけです。
しかも重要なのは、2か月前に受けても、次の車検までの有効期間は変わらないということ。以前は早く受けるとその分、次の期限も早くなってしまいましたが、今回からは“損”にならない制度になりました。
なぜ変更されるの?混雑と整備士不足が背景に
この改正の最大の目的は、年度末などに集中しがちな車検を分散させることにあります。
多くの新車が3月や9月の決算期に販売されるため、それから数年後の車検時期もどうしても同じ月に偏ってしまいます。すると整備工場は予約でパンパンになり、整備士たちは残業や休日出勤が常態化。働き方の改善が求められていました。
同時に、今や自動車整備士の人手不足も深刻化しています。若手のなり手が減り、技術を持った人材が足りていない現場では、「このままでは立ち行かない」という声も上がっていたのです。
今回の制度改正は、そうした業界の声と、ユーザーの利便性の両方に配慮した改革なのです。
ユーザーにとってのメリットは?
では、私たち車の持ち主にとってはどんな良いことがあるのでしょうか?具体的には次のようなメリットが期待できます。
1. 予定が立てやすくなる
2か月前から受けられるので、「急にスケジュールが合わない」「予約が取れない」といった事態を避けやすくなります。たとえば、6月のボーナスが入ったタイミングで、9月の車検を先に済ませる…といった計画も立てやすくなります。
2. 見積もりや業者の比較がしやすい
期間に余裕があれば、1社だけでなく複数の業者に見積もりを取り、より安く、より丁寧な整備を選ぶこともできます。これまでのような「急いでどこでもいいから予約」ではなく、納得のいく選択が可能になります。
3. 特典やサービス競争の活性化も?
業者側も顧客の取り合いに本腰を入れてくる可能性があります。すでに「早期予約でオイル交換無料」などの特典は一般的ですが、今後はさらに内容が充実していくかもしれません。
税金や保険はどうなるの?
車検と一緒に支払う自動車重量税や自賠責保険についても気になるところですが、今回の制度改正による税率変更や保険料の変化は今のところ予定されていません。
つまり、「期間が変わっただけで、料金体系はこれまで通り」と考えて問題ないでしょう。
親子トークタイム!子供に伝える方法
車検の制度は大人にとっても難しく感じる話題ですが、交通ルールや車の仕組みを学ぶ良いきっかけになります。特に「安全を守るための仕組み」という視点で伝えてあげると、子どもにも理解しやすくなります。
子供にこう話してみよう!
「車はね、ずっと走ってたらどこかが悪くなっちゃうかもしれないんだ。だから、車がちゃんと元気で安全に走れるかをチェックする“車検”っていうルールがあるの。
今までは1か月前からしか受けられなかったんだけど、これからは2か月前からでもOKになるんだって。お医者さんの予約みたいに、ちょっと早めに受けることで、みんなが楽になるってわけなんだよ。」
まとめ
2025年4月から始まる新しい車検制度は、ユーザーにとって「より便利で、より計画的に車検を受けられる」仕組みへの一歩です。特に混雑する年度末を避けられるようになったことは、整備業界の働き方改善にもつながる大きな意味を持ちます。
制度が変わることで「知らなかった」「損をした」ということがないよう、しっかりと内容を理解しておきましょう。そして何より、車検は“義務”であると同時に、自分と家族の命を守るための“権利”でもあるのです。