「地震」と聞くと、多くの人が思い浮かべるのは「突然の大きな揺れ」や「警報の音」かもしれません。しかし、その“揺れ”の正体は1種類だけではなく、原因によっていくつかのパターンに分かれています。
この記事では、断層型地震・火山型地震・人工地震という3つの主要な種類に着目し、それぞれの違いとメカニズムを、わかりやすく丁寧に解説します。あわせて、プレートとの関係や、日本での発生リスクについても深掘りしていきます。
地震はすべて同じではない?種類によって原因が違う
地震とは、地下の岩盤が急激に動くことで発生する自然現象です。この「ズレ」が起きる理由にはいくつかのバリエーションがあり、発生のしくみによって地震は以下の3種類に分けられます。
- 断層型地震(内陸型地震)
- 火山型地震(火山性地震)
- 人工地震(人間の活動によるもの)
それぞれの地震は、場所・原因・被害の出方に特徴があります。
断層型地震とは:プレートがぶつかってズレる地震
断層型地震は、地殻内にある「断層」と呼ばれる岩の割れ目が動くことで発生します。これは、地球の表面を覆うプレートが押し合ったり引っ張り合ったりして、地下に力がたまり続けることが原因です。
その力が限界を超えると、断層が一気にズレて地震になります。このような仕組みで起きる地震の多くはプレートテクトニクス理論によって説明されます。
このタイプの地震は陸地の浅い場所で発生することが多く、都市に近い場合は大きな被害につながりやすいです。
たとえば、1995年の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)は、活断層がずれて発生した典型的な断層型地震でした。
火山型地震とは:マグマの動きが引き起こす地震
火山型地震は、火山の活動に伴って起きる地震です。地下のマグマが移動したり、火山ガスがたまったりすることで、周囲の岩盤に圧力がかかり、揺れが発生します。
これらの地震は「火山性微動」とも呼ばれ、噴火の前兆として現れることが多いため、火山活動の監視にも活用されています。
たとえば、2014年に発生した御嶽山の噴火では、直前に小さな火山型地震が多数観測されていました。
人工地震とは:人間の活動が引き金になる地震
人工地震とは、人為的な要因によって引き起こされる地震のことです。たとえば、以下のような活動が原因になることがあります。
- 大型ダムの建設と水圧の変化
- 地下資源(石油・天然ガスなど)の採掘
- 地熱発電やシェールガス採掘にともなう水圧注入
- 核実験などの爆発
これらは自然のプレート運動とは異なり、人間の行為が地殻に影響を与えて発生する特殊な地震です。規模は小さいことが多いですが、繰り返し発生する場合は地元住民に不安を与える要因にもなります。
人工地震については、誘発地震(Wikipedia)にも詳しくまとめられています。
地震のメカニズムを知ると、防災意識も変わる
3つの地震タイプの背後には、それぞれ異なる「メカニズム」があります。しかし共通して言えるのは、「地殻にたまった力」が限界を超えたときに起こる、という点です。
つまり、プレートの動き・マグマの膨張・人間の活動――どれも地球内部に変化を与え、揺れを生み出す原因になりうるのです。
このように、地震は単なる自然災害ではなく、地球のダイナミズムと深く関わる現象であることがわかります。
親子トークタイム!子供に伝える方法
地震にはいくつかの種類があるということを、子供にもわかりやすく伝えることは、防災教育の第一歩です。
子供にこう話してみよう!
「地震ってひとくちに言っても、実は“どうして起きるか”によっていくつか種類があるんだよ。たとえば、地面の下にある岩が押されてバキッて割れると起きるのが“断層型”。火山の中でマグマがグツグツして起きるのが“火山型”。人がダムを作ったり、地下で工事をしたときに起きることもあって、それが“人工地震”なんだ。
理由はちがっても、どれも揺れるのは同じ。だから“どんなときでも身を守る方法”を知っておくことがいちばん大事なんだよ。」
まとめ
地震にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる原因によって発生しています。断層型地震はプレートの動き、火山型地震はマグマの圧力、人工地震は人間の活動が引き金となるものです。
どの地震も、そのメカニズムを理解することで、日頃の備えに生かすことができます。特に日本のような地震が多い国では、「どう起きるか」だけでなく、「なぜ起きるか」を知っておくことが、自分と大切な人を守ることにつながります。
地震は“突然”ですが、私たちは“備える”ことができます。その第一歩は「知る」ことから始まります。