ロシアとウクライナの関係は、単なる隣国同士というだけでなく、千年以上の歴史に根ざした深い関係を持っています。現在の対立の背景には、この長い歴史が大きく影響しています。
1. キエフ・ルーシ時代(9〜13世紀)
ウクライナとロシアの起源は、9世紀に成立した「キエフ・ルーシ」に遡ります。キエフ(現在のウクライナの首都)は、この国家の中心であり、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの文化的ルーツとされています。しかし、13世紀のモンゴル帝国の侵攻により、キエフ・ルーシは崩壊しました。
2. ロシア帝国時代(18〜19世紀)
ウクライナは17世紀以降、ロシア帝国の支配下に入ります。特に18世紀のエカチェリーナ2世の時代には、ウクライナの自治が大幅に制限され、ロシア化が進められました。ウクライナの言語や文化は抑圧され、多くのウクライナ人がロシア帝国の一部として組み込まれていきました。
3. ソビエト連邦時代(1922〜1991年)
ウクライナは1922年にソビエト連邦(ソ連)の一部となりました。スターリン政権下では、ウクライナで人工的な飢饉「ホロドモール」(1932〜1933年)が発生し、数百万人が犠牲になりました。この出来事は、ウクライナ人のロシア(ソ連)への不信感を強める要因となりました。
第二次世界大戦後、ウクライナはソ連の主要構成国として発展を遂げますが、独立を求める動きも続いていました。
4. ウクライナの独立(1991年)
1991年、ソ連の崩壊に伴い、ウクライナは独立を宣言しました。しかし、ロシアはウクライナを自国の影響圏に留めようとし、両国の関係は緊張し続けました。
5. クリミア問題と東部紛争(2014年〜)
2014年、ウクライナで親欧米派の政権が誕生すると、ロシアはこれを警戒し、クリミアを併合しました。同時に、ウクライナ東部では親ロシア派武装勢力とウクライナ政府の間で紛争が続いています。
【おやこトークタイム!】子どもに伝える方法
この戦争について子どもから質問されたとき、どのように説明すればよいでしょうか?歴史的な背景をすべて理解するのは難しくても、シンプルな言葉と身近な例えを使うことで、子どもにも分かりやすく伝えられます。ここでは、そのための具体的な話し方を紹介します。
子どもにこう話してみよう
「むかし、ウクライナとロシアは同じ国のような関係だったんだ。でも、ウクライナの人たちは『自分たちの国を持ちたい』と思っていたの。それで独立したんだけど、ロシアは『ウクライナはもともとロシアの仲間だから、一緒にいるべきだ』と考えているん