「自動運転って事故が減るって聞いたけど、もしぶつかったら誰が悪いの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
AIやセンサーが操作する時代になっても、“責任”という言葉はなくなりません。
この記事では、自動運転と事故、そして「誰が責任を取るのか」というテーマを、親子で一緒に学べる形でわかりやすく解説します。
事故は本当に減るの?
自動運転の最大のメリットのひとつとして、「交通事故が減る」とよく言われます。
たしかに、事故の多くは人間のミスで起こっています。スピードの出しすぎ、信号無視、居眠りやスマホ操作など、人が原因の事故は全体の約9割を占めると言われています。
その点、自動運転車は自動運転車に搭載されたカメラやセンサー、アルゴリズムによって、常に正確で冷静な判断を下します。
しかし、それでも事故が「ゼロ」になるわけではありません。
・センサーが誤作動する
・想定外の状況にAIがうまく対応できない
・人とAIの引き継ぎ(ハンドオーバー)が間に合わない
こうしたリスクは依然として存在します。
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事故が起きたら、誰が責任を取るの?
これは自動運転時代最大の論点のひとつです。
たとえば、人が運転していた場合には、ドライバーが過失責任を問われます。
でも、自動運転車が運転していたとしたら、誰に責任があるのでしょう?
- 運転していた人?(でも、運転してない)
- 車を作ったメーカー?
- 自動運転ソフトを作った会社?
- 通信や地図に問題があったら?
状況によって変わりますが、現状の日本では「レベル2・3まではドライバーが責任を負う」とされています。
ただし、レベル4以上になると、「システム側が主導」とみなされるため、メーカー側や運行事業者が責任を問われる可能性が高まります。
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海外ではどうなっている?
海外でもまだ答えは出ていませんが、国ごとに制度整備が進んでいます。
アメリカでは州によって「無人走行中の責任者」を義務づけていたり、ドイツでは「自動運転中に事故が起きたらブラックボックス(記録装置)の提出義務」を設けています。
各国共通して言えるのは、「人が運転しない社会」に備えた新しい法律の仕組みが必要になっているということです。
技術が正しくても、使い方しだい?
たとえば、歩行者が急に飛び出してきたとき。
人なら咄嗟に反応することもありますが、AIは「プログラムされたとおり」にしか動けません。
つまり、技術が完璧でも、それを“どう使うか”を決めるのは人間です。
どんなに高性能な車でも、それを正しく理解せずに乗ってしまえば、事故が起きるリスクはあります。
だから、これからの社会では、「モノを作る技術」だけでなく、「どう使うかのルールや教育」がいっそう大切になります。
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親子トークタイム!子どもに伝える方法
「誰が悪いの?」という問いは、子どもにとってとても身近で大切なテーマです。
自動運転を通じて、「モラルってなに?」「ルールって誰のためにあるの?」といった考え方に触れるきっかけにもなります。
子どもにこう話してみよう!
「もし、自動運転の車が誰かにぶつかってしまったら、だれが責任をとるんだろう?」
「人が運転していないってことは、悪いのは車?それとも作った人?乗ってた人?」
「実は、そういうときのために、国が“ルール”を作ろうとしてるんだよ。でもまだ完ぺきじゃなくて、これからどうするか考えてる最中なんだ。」
「だから、“使い方をちゃんと決める”っていうのは、未来の社会を作るうえでとっても大事なことなんだね。」
まとめ
自動運転は、事故を減らす可能性のある素晴らしい技術です。
でも、事故が起きないわけではなく、誰が責任を取るかという「モラル」と「法律」の課題が残されています。
これからの社会では、技術にまかせるだけではなく、それを「正しく使うためのしくみ」や「人の考え方」が問われる時代になります。
親子で、もし自分がその車に乗っていたら?もし近くで事故が起きたら?と、現実的な場面を想像しながら、一緒に考えてみましょう。