「人がまったく運転しない車」、つまり完全自動運転といわれる「レベル5」の車が、未来の乗り物として注目されています。
でも実際、いつできるの?どうやって実現するの?そして、私たちの生活はどう変わるの?
この記事では、レベル5とは何か、その実現に向けた最新の動き、そして乗り越えるべき課題まで、親子で一緒に学べる形でやさしく解説します。
レベル5ってどんなレベル?
自動運転には、0〜5の6段階のレベルがありますが、その最終段階がレベル5です。
レベル5では、どこでも・いつでも・だれでも、車に乗るだけで目的地に自動で連れていってくれるという世界が想定されています。
ハンドルやブレーキペダルすら不要。ドライバーの存在が完全に不要になります。
まるで映画やSFのような乗り物ですが、実際に目指されているのは現実の「移動手段の革新」です。
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現在の進捗と「まだ」の理由【2025年】
2025年3月時点で、世界中にレベル5を商用化した車は存在しません。
レベル4の実証実験やサービス(特定エリアでの自動運転バスやタクシー)は進んでいますが、完全に制限のないレベル5は、まだ技術・法制度・社会全体の準備が整っていないのが現実です。
代表的な取り組み(2025年時点)
- Waymo(アメリカ):都市限定でレベル4ロボタクシーを展開中。将来のレベル5を視野に研究中
- Cruise(GM+ホンダ):日本でも2026年にロボタクシー運用予定だが、まずはレベル4相当から
- トヨタ・日産・ホンダ:自動運転専用車の開発やMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)と連携して段階的に対応
まだ“どこでも動ける車”は完成しておらず、私たちの身近に登場するには数年〜10年単位の時間が必要といわれています。
レベル4と5の違いは「制限の有無」
レベル4の自動運転は、決められた条件下では完全自動運転が可能です(例:空港周辺だけ、時速40km以下など)。
しかしレベル5では、場所・天候・時間帯などに関係なく、すべての道路状況に対応できる必要があります。
つまり、雪道でも、細い路地でも、交通トラブルがあっても自動で判断・対応しなければいけないのです。
そのため、レベル5を実現するには、アルゴリズムのさらなる高度化と、人工知能、センサー技術の進化が欠かせません。
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レベル5に必要な“環境”とは?
レベル5の実現には、車だけでなく、周囲の「環境側」も進化する必要があります。
- 地図やインフラの整備:あらゆる道路に対応した高精度地図や交通情報ネットワーク
- 通信の高速化:5Gや今後の6Gなど、車と環境をつなぐ安定した通信網
- 社会の理解と法整備:責任の所在、免許制度の見直し、データの扱い方など
これらが整わなければ、「どこでも走れる車」が作れても、使えない社会になってしまいます。
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レベル5が実現したらどう変わる?
- 車の免許が不要になるかもしれない
- 高齢者や子どもでも一人で移動できる
- 車内が“移動カフェ”や“動くオフィス”になる?
- 交通事故が激減(人のミスがなくなる)
一方で、仕事としての「運転手」がなくなる可能性、プライバシーの問題、機械任せの怖さなど、新しい課題も出てくるでしょう。
親子トークタイム!子どもに伝える方法
レベル5の自動運転は、映画みたいでワクワクする未来の技術。でも、“本当に全部をまかせていいの?”という問いは、大人にとっても難しいテーマです。
だからこそ、子どもと一緒に、「技術をどう使うべきか」「人間はどう関わっていくべきか」を考えてみましょう。
子どもにこう話してみよう!
「未来の車は、ハンドルもブレーキもないかもしれないんだよ。乗ったら行き先だけ言えば、勝手に走ってくれるの。」
「でもね、それってすごく便利な反面、もし何か起きたとき、“車まかせ”でいいのかな?ってこともあるよね。」
「新しい技術って、ただ使えることだけじゃなくて、“どう使うか”がもっと大事なんだよ。」
まとめ
レベル5の自動運転は、「完全に人が関わらずに動く車」のゴール地点です。
でも、それを実現するには、車の技術だけでなく、社会の仕組みや人の意識も一緒に変わっていく必要があります。
“未来の当たり前”になる前に、どんな準備が必要で、どんなことに気をつけるべきなのか。
親子で一緒に、ただの「便利」ではなく、「安心できる未来の移動」について考えてみましょう。