地球には、人が簡単に行けない“究極の僻地”が存在します。それが「ポイント・ネモ」。地図上では点でしかないその場所は、世界のどの陸地からも最も遠く離れた「到達不能極(Oceanic Pole of Inaccessibility)」です。
しかし、単に“遠い場所”というだけではありません。SNSでは「怖い」「ヤバすぎる」とささやかれ、都市伝説や未確認生物の噂が絶えません。なぜ、ポイントネモはこれほどまでに“恐れられている”のでしょうか?
本記事では、「怖い」と言われる背景を科学・歴史・フィクションの3方向から徹底解説し、子どもにもわかる言葉で“本当のポイントネモ”を明らかにします。
ポイントネモとは:地球で最も孤立した場所
この場所は南太平洋の中心、最も近い陸地(デュセ島、モトゥ・ヌイ島、マハー島)から約2,688kmも離れた海域にあります。地球上のどの人間も、常にこの地点からは数千km離れているという計算になります。
つまり、ある意味「誰も近くにいない、完璧にひとりぼっちになれる場所」なのです。現実離れしたその孤立ぶりが、「不気味」「怖い」と感じさせる最初のポイントです。
深海の底に眠る“未知”への恐怖

圧倒的な深さと調査の困難性
ポイントネモの水深は平均4,000〜4,500メートルに達すると推定されています。これは、エベレスト山をすっぽり沈めても、まだ水面下にあるほどの深さです。
この深海では、強烈な水圧(約400気圧)、太陽光の届かない完全な暗闇、そして低温(およそ2℃)が支配する世界が広がっています。
人類の探査技術をもってしても、未踏のまま残されている領域が多く、「何がいるのかすらわからない」ことが“恐怖”をかき立てます。
未確認生物は実在する?
ネット上では、ポイントネモ周辺に「巨大な海洋生物」「未確認生物(UMA)」「超巨大イカ」などの噂が飛び交っています。
たとえば、海軍が録音した“超低周波の謎の音(Bloop)”がこの近くで記録され、「未知の巨大生物が存在するのでは?」という憶測が広がりました。
科学的には氷山の崩壊などの自然音とされていますが、正体不明な現象が深海で起きていることは事実です。
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クトゥルフ神話と「ルルイエ」の伝説

H.P.ラヴクラフトの創作神話体系「クトゥルフ神話」では、“深きものども”の神クトゥルフが眠る場所「ルルイエ」が、まさに南太平洋の孤立地帯にあるとされます。
これはフィクションですが、「南太平洋の未知なる海底に、何かが封印されている」という設定は、多くの人の想像力を刺激してやみません。
偶然にもその座標がポイントネモと類似していることもあり、「クトゥルフ=ポイントネモ」という説がSNSや掲示板(なんJ、海外Redditなど)で盛り上がるのです。
「人工衛星の墓場」としての役割

ポイントネモにはもう一つ、現実の“怖さ”があります。それが、「人工衛星の墓場」としての利用です。
国際宇宙ステーションや古くなった衛星などは、最終的に大気圏再突入し、この座標を目指して落とされます。実際に、過去にはロシアの「ミール」や各国の衛星がこの海に沈んでいます。
宇宙と地球の境目で役割を終えた人工物が、最終的に「誰にも見られない海の底」へと還る――。この事実そのものが、どこか不気味で不安を誘います。
ネットと都市伝説が生んだ“怖さ”の拡張
近年ではYouTubeやTikTok、5ch、なんJなどで「ポイントネモ=何かが潜む場所」として語られるようになりました。
- 「赤く染まった水面」
- 「行方不明になった調査船」
- 「グーグルアースで見えてしまう黒い影」
……といった証拠のない“怖い話”が拡散されることで、本来の科学的な興味を越えて、「人を引き込む謎」として恐れられる存在になっているのです。
親子トークタイム!子どもに伝える方法
「ポイントネモ」ってね、地球の海の中で一番“ひとりぼっち”な場所なんだよ。
どの国からもすっごく遠くて、船もなかなか近づけないの。しかもその下には、まだ人間が見たことのない深い海が広がってるんだ。
そんな場所だから、宇宙から落ちてくる人工衛星の“お墓”として使われたり、誰も知らない生き物がいるかもしれないって言われたりしてるんだよ。
まるで冒険小説の中みたいな、秘密の海なんだ!
まとめ
- ポイントネモは、陸地から最も遠い地球上の孤立地点である
- 深海探査が困難なため、未確認生物や謎の音の噂が広がっている
- クトゥルフ神話などのフィクションと結びつき、都市伝説化している
- 宇宙ゴミが落とされる「人工衛星の墓場」としても機能しており、現実にも不気味な場所
- 情報が少ないこと自体が、人々の“怖さ”を生む要因になっている