夜空に浮かぶ月には、科学的な顔だけでなく、古くから人々が名付けてきたことばの世界があります。
日本では月の形や季節によって、さまざまな名前や異名が生まれ、歌や暦、行事などに使われてきました。
この記事では、月の異名・旧暦の月名・季節ごとの表現・外国語の呼び方までを一つにまとめて解説します。
科学的な月とはひと味違う、“ことばとしての月”の世界を楽しみましょう。
月にはこんなに名前がある?
普段は「満月」「三日月」などと呼ぶことが多い月ですが、
古くから日本語には、月を表すさまざまな名前や異名が存在しています。
たとえば…
- 十六夜(いざよい):満月の翌日。ためらいながら昇る月の意味
- 更待月(ふけまちづき):夜が更けてから出る月
- 有明月(ありあけづき):夜明け近くまで空に残る月
- 望月(もちづき):満ちきった満月のこと
こうした異名は、月の出る時間帯や明るさ、見える位置によって名づけられたものが多く、月の満ち欠けを言葉で捉えた日本語の美しさを感じさせてくれます。
和名・旧暦の「月の名前」
旧暦(太陰太陽暦)では、各月に美しい和名がつけられています。
これらは日本文化や季節感、農作業との関わりを表現しています。
月 | 和名(旧暦) | 意味・由来 |
---|---|---|
1月 | 睦月(むつき) | 親族が集い、睦み合う月 |
2月 | 如月(きさらぎ) | 衣更着、寒さで重ね着する季節 |
3月 | 弥生(やよい) | 草木が生い茂る月 |
4月 | 卯月(うづき) | 卯の花が咲く時期 |
5月 | 皐月(さつき) | 田植えの時期、早苗月 |
6月 | 水無月(みなづき) | 水の月(「無」は“の”の意味) |
7月 | 文月(ふみづき) | 書物・短冊に詩を記す七夕の月 |
8月 | 葉月(はづき) | 木の葉が落ち始める |
9月 | 長月(ながつき) | 夜が長くなる |
10月 | 神無月(かんなづき) | 神様が出雲に集まる(出雲では神在月) |
11月 | 霜月(しもつき) | 霜が降り始める月 |
12月 | 師走(しわす) | 師(僧侶)も走るほど忙しい月 |
現代のカレンダーでも、季節感を表現する際にこの旧暦の名前が使われることがあります。
季語や文学に出てくる「月の呼び名」
日本語の中では、月は数えきれないほど多くの表現で登場します。
古典文学や和歌、俳句などでは、月そのものよりも、風情や時間を描く“場面”の象徴として使われることがよくあります。
例:
- 名月(めいげつ)=中秋の名月
- 秋の月:もの悲しさや静けさを象徴
- 春の月:新しい命の始まり
- 朧月(おぼろづき):春の霞がかったやわらかな月
- 銀の月:詩的表現で月光の美しさを形容
これらの言葉は、自然の移ろいを感性でとらえる日本語の奥深さを伝えています。
外国語ではなんと呼ぶ?
月はもちろん、日本だけでなく世界中で親しまれ、神話や文化に多く登場します。
言語ごとの名前にも、それぞれの世界観が表れています。
言語 | 月(Moon)の単語 | 備考 |
---|---|---|
英語 | Moon(ムーン) | ラテン語「メネ」由来 |
フランス語 | Lune(リュヌ) | 女性名詞、美と静けさの象徴 |
ドイツ語 | Mond(モント) | 男性名詞、力強さの象徴 |
イタリア語 | Luna(ルーナ) | 多くの神話に登場 |
中国語 | 月亮(ユエリャン) | 明・陰・家族の象徴 |
ラテン語 | Luna(ルーナ) | 「ルナティック」の語源にも |
こうした呼び方は、文化や歴史、信仰と密接に関わっていて、
言語と宇宙が結びついていることを実感できます。
暦や季節とつながる「月の名前」
月の呼び名は、単なる言葉の装飾ではなく、生活と季節のリズムの中から生まれてきた知恵でもあります。
昔の人々は、月の形を見て暦を知り、月齢と共に田植えや収穫、祭りの日程を決めていました。
また、季語としての月は、自然と人の暮らしが密接につながっていた証でもあります。
現代のカレンダーでも「十五夜」「十三夜」「朔日(ついたち)」など、月に由来する言葉が多く使われています。
→ 満ち欠けの基本構造は月の満ち欠けのしくみで解説しています。
月に名前をつけたくなる気持ち
科学的な視点では、月は衛星であり、地球の周りをまわる天体のひとつです。
でも、人は古来から月に名前をつけ、意味を与えてきました。
それは、ただの天体ではなく、感情や願い、物語を映す存在として月を見てきたからです。
望月(もちづき)は満ちた姿を、十六夜(いざよい)はためらいを、朧月は揺らぐ気持ちを映しています。
月に言葉を与えることは、自然と自分の心を結びつける行為なのかもしれません。
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【おやこトークタイム!】どんな月の名前があるの?
「今日はまんまるだから満月。じゃあその次の日は?」
そんな話題から、十六夜(いざよい)、立待月(たちまちづき)、居待月(いまちづき)…と、どんな名前があるかを一緒に調べてみましょう。
「この月は、夜明けまで残ってるから“有明月”っていうんだね」
「“朧月”は春のもやの中に見える月なんだって」
名前を知るだけで、見えている月の意味が変わって感じられるようになります。
言葉に意味を込めて月を見る。
そんな時間が、自然と語彙や感性を育てるきっかけになります。
まとめ
月には、形や季節、時間、文化に応じて、さまざまな名前が与えられてきました。
科学だけでなく、言葉として月を捉えることは、日本語や文化の豊かさを感じる学びのひとつです。
・月の異名は、時間や形、情景を反映したもの
・旧暦の月名は、季節と生活をつないでいた
・世界の月の名前にも文化がにじむ
・言葉を通じて、月は“ただの天体”ではなくなる
・照明としての月ライトも、“月に意味を持たせる道具”になりうる
空にある月に、名前をつけたくなる気持ち。
それは、自然をただ眺めるだけでなく、「理解したい」「感じたい」という人間の心そのものかもしれません。