「将来、何の仕事をしたい?」
小・中学生にとっては、少しむずかしい質問かもしれません。でも、将来のことを考えるきっかけは、今の生活の中にたくさんあります。
この記事では、「好きなこと」「得意なこと」「社会とのつながり」の3つの視点から、将来の仕事をどう選ぶかを親子で一緒に考えるためのヒントをまとめました。進路や将来に迷う子どもへの声かけの参考にもなる内容です。
将来の仕事選びに正解はない
「これからどんな仕事がいいか」は、社会やテクノロジーの進化によって常に変わっていきます。今ある仕事が将来にはなくなったり、逆に今はない仕事が当たり前になることもあります。
そのため、「〇〇になりなさい」と一つに決めるのではなく、自分の関心や個性、価値観をもとに「どんなことに関わっていたいか」「どう人の役に立ちたいか」を考えることが大切です。
好きなことを出発点にする
子どもにとって、一番わかりやすいのは「好きなこと」です。たとえばこんな視点があります。
・絵を描くのが好き → デザイン、広告、ゲーム制作などへ
・話すのが好き → 接客、教育、放送などの分野へ
・動物が好き → 獣医、ペット関連、環境保護などへ
・パズルやクイズが好き → 論理的思考を活かす研究や分析職へ
好きなことを仕事にできるとは限らないかもしれませんが、将来の方向性を考えるときの大切な出発点になります。
得意なことを見つけて伸ばす
「得意なこと」は、自分では気づいていない場合もあります。周囲の人から「○○がうまいね」と言われたことがあるなら、それがヒントです。
・絵や工作が得意 → 形にする力・表現力がある
・人を笑わせるのが得意 → 空気を読む力、コミュニケーション力
・計画を立てるのが得意 → 段取りや整理整頓が得意な証拠
・一人で集中するのが得意 → 粘り強さや集中力が活かせる場面がある
得意なことは「他の人より少し得意かも」と思うくらいでも立派な強みになります。
社会とのつながりから考える
自分の好きなことや得意なことを「社会でどう活かせるか」を考えると、仕事の意味がより深まります。
たとえば、
・絵を描くのが好き → 人に想いを伝える仕事(広告、教育)
・ゲームが好き → 楽しさで人を元気にする仕事(企画、医療リハビリ分野でも応用)
・料理が得意 → 健康や食文化を支える仕事(栄養士、農業、食品開発)
社会に役立つ形で自分の力を使えたとき、人は大きなやりがいや達成感を感じます。
仕事を「ひとつ」にしばらなくてもいい
「何になりたい?」と聞かれると、「ひとつの職業を選ばなければならない」と思いがちですが、実際には違います。
これからの社会では、複数の仕事を掛け持ちしたり、自分で仕事をつくったりする生き方も当たり前になっていくと考えられています。
ひとつの仕事にしばられず、「どんな力を持っていて、どんなことに関われる人か」が、より大切になるでしょう。
親子トークタイム!子供に伝える方法
将来の仕事を考えるとき、「どれを選ぶか」ではなく、「どんな人になりたいか」という視点が、子どもにとって自然で考えやすい切り口です。
子供にこう話してみよう!
いまはまだ仕事のことがよくわからなくても、「人を喜ばせたい」とか、「新しいものをつくってみたい」とか、そういう気持ちがとっても大事なんだよ。きみが「やってみたい」「もっと知りたい」と思ったことは、きっと将来の道につながっているよ。
子どもが話した「好きなこと」を深掘りする質問をしてみたり、「それってどんな仕事に近いかな?」と一緒に想像してみると、会話が広がります。
まとめ
・将来の仕事選びは、「今の自分」の中にある好き・得意・価値観からヒントが得られる
・社会の変化とともに、仕事の種類や働き方もどんどん変わっていく
・子どもの個性を活かすには、「どの職業になるか」より「どう生きたいか」を重視する視点が大切
・親子で「興味を持ったこと」を共有し、未来の可能性を一緒に考えていくことがキャリアの第一歩になる