「これからの社会では、今ある仕事の半分がなくなるかもしれない」
そんな言葉を耳にしたことはありませんか?
技術が進むことで便利になる一方で、「自分や子どもが将来どう働いていくのか」に不安を感じる人も少なくありません。この記事では、将来なくなると言われる仕事、そして変わらず求められる仕事の特徴を紹介しながら、これからの社会で人がどんな役割を果たしていくのかを一緒に考えていきます。
働く人が変わる時代に入っている
レジでの会計をセルフレジが担当し、ネットでの買い物はチャットボットが案内してくれる。建設現場や農場では、自動運転やドローンの活用が進んでいます。
こうした例を見ると、「人の手がいらなくなる仕事」が確かに増えてきたと感じる方も多いでしょう。実際、政府や研究機関も、今後AIやロボットが担う役割が広がっていくと予測しています。
参照:
・経済産業省「未来人材ビジョン」(PDF)
・野村総合研究所 × オックスフォード大学『日本の労働市場における技術革新の影響』
将来なくなる可能性がある仕事の特徴
機械やAIが得意とするのは、「決められたルール通りに、正確に繰り返す作業」です。特に以下のような仕事は、今後自動化が進むと考えられています。
・データ入力や集計業務
・レジ打ちや料金精算
・製造ラインの作業
・一般的な事務作業
・電話受付や予約対応
これらは「正確さ」と「スピード」が重視される一方で、特別な判断や感情の理解を必要としないことが多いため、自動化が進みやすい領域です。
反対に、残る仕事には共通点がある
なくなる職業ばかりが注目されがちですが、今後も人の力が求められる仕事も数多くあります。特徴としては、「人との関わりが深い」「感情や空気を読む力が求められる」「正解がひとつではない」仕事です。
・介護や看護などのケア系職種
・子どもや若者を育てる教育関係
・デザイン・アート・文章などの創造分野
・カウンセリングや相談支援の仕事
・企画や交渉など、変化に合わせて考える業務
こうした仕事は、人だからこそできる細やかな配慮や発想、共感する力が欠かせません。
「消える/残る」ではなく「変わる」
多くの専門家が共通して伝えているのは、「仕事がなくなる」だけでなく「かたちを変える」仕事も多いということです。
たとえば、銀行の窓口業務が減っても、お金の相談にのる“ファイナンシャル・プランナー”のような役割は増えています。レジ業務が減っても、接客の質を高めるスタッフのニーズは残っています。
つまり、「人の手がいらなくなる」ことばかりではなく、「人の力がより活きるような仕事に変化していく」ことが多いのです。
これからの時代に大切な力
社会や仕事のかたちが変わっても、次のような力は今後も必要とされ続けるでしょう。
・相手の立場を理解する力(共感力)
・話し合いながら進める力(対話力)
・自分で問いを立てて考える力(探究力)
・人や技術と協力して価値を生み出す力(協働力)
・変化を前向きにとらえる力(柔軟性)
学力だけでなく、「人としての力」がより大切にされる時代がやってくると言えるでしょう。
親子トークタイム!子供に伝える方法
「仕事がなくなる」話をそのまま伝えると、子どもは不安になるかもしれません。けれど、「だからこそ、今のうちにどんな人になりたいかを考えてみようね」と声をかけることで、前向きな学びに変わります。
子供にこう話してみよう!
これからの世の中では、ロボットやコンピューターがたくさんのことをできるようになるんだ。でも、うれしい気持ちや、かなしい気持ちをわかってくれるのは、やっぱり人だよね。きみが「人のためにできること」や「自分にしかできないこと」を見つければ、その力はずっと大切にされるよ。たとえば、お友だちとアイデアを出して何かを作るのも、未来の仕事につながるかもしれないんだよ。
子どもが関心を持ちやすいゲーム・ものづくり・友達との遊びなどに結びつけると、より実感を持って未来の話に入りやすくなります。
まとめ
・AIやロボットは「決まった作業」を効率化できるため、一部の仕事は減る可能性がある
・人間らしさが求められる仕事や、人との関わりが深い仕事は残りやすい
・仕事はなくなるだけでなく、かたちを変えて新しく生まれ変わることもある
・これからの時代には、考える力・協力する力・学び続ける姿勢が求められる
・親子で「どんな人になりたいか」を話すことが、未来の仕事選びにつながっていく