「働く」とは、一体どういうことなのでしょうか。毎朝、忙しそうに家を出る大人たちの姿を見ながら、子どもたちは「なぜ働いているの?」という疑問を持つかもしれません。
この記事では、「なぜ人は働くのか」「仕事は社会とどうつながっているのか」をテーマに、働く意味や仕組みを親子で一緒に考えていきます。子どもが将来の自分をイメージする土台として、そして大人にとっても働く意義を見直す機会としてご活用ください。
なぜ人は働くのか?
「生活のため」と答えるのがもっとも一般的でしょう。実際、働くことでお金を得て、衣食住をまかなうことができます。しかし、働く意味はそれだけではありません。
人が働く理由は大きく分けて以下の3つがあります。
- 収入を得て生活を支える(経済的理由)
- 社会の一員として役割を果たす(社会的理由)
- 自分のやりがいや目標を実現する(個人的理由)
つまり、働くことは単にお金のためではなく、「誰かの役に立っている」「社会の中で役割を果たしている」という実感にもつながっています。
働くことと社会のつながり
私たちの身の回りには、誰かが働いた成果がたくさんあります。スーパーに並ぶ食べ物、道路の整備、学校や病院、インターネットなど、生活に必要なものやサービスは、すべて誰かの仕事によって支えられています。
それぞれの仕事が社会の一部を支えていて、誰かの仕事が他の誰かの生活を助ける。社会はこうした「働きのリレー」で成り立っているのです。
また、働くことで得たお金を使うことも、別の人の仕事を支える行動になります。働くことと消費することは、どちらも社会との関係の中で循環しているのです。
参照:内閣府|令和4年版 子供・若者白書 概要(特集:社会とのつながり)
子どもに伝えたい「仕事の多様性」
現代社会では、仕事の種類がどんどん増えています。病院の先生や警察官のような昔からある職業に加えて、ITエンジニア、動画クリエイター、AI関連の仕事など、新しい職業も登場しています。
また、働き方も多様になっています。ひとつの会社で長く働く人もいれば、在宅で働く人、副業をする人、自分で会社を作る人もいます。
子どもたちには、「将来なりたい仕事を一つに決めなければならない」と考えるよりも、「自分の得意なことや好きなことを、社会の中でどう活かせるか」と考えてもらうことが大切です。
働くことで得られるのは、お金だけじゃない
仕事には、やりがいや成長、仲間との協力など、お金以外にもたくさんの価値があります。達成感や人に感謝される喜び、自分らしさを表現する機会など、仕事を通じて得られる経験は人生を豊かにします。
もちろん、時にはうまくいかないこともあります。けれど、それも「働くこと」の一部。困難を乗り越える中で、人は学び、成長していくのです。
親子トークタイム!子供に伝える方法
子どもに「働くって何?」と聞かれたとき、大人が迷わず答えられるとは限りません。でも、難しい言葉を使わず、日常の中にある働く人の姿を見せながら伝えることで、自然と理解が深まります。
子供にこう話してみよう!
たとえばコンビニの店員さん、バスの運転手さん、教室の先生もみんな「働く人」。それぞれがちがう役目をもっていて、みんながつながって社会が動いているんだ。パパやママも、誰かのために働いているし、お金だけじゃなく「ありがとう」って言ってもらえることもうれしいんだよ。
まとめ
・働くことは生活のためだけでなく、社会の中で役割を果たすことでもある
・仕事は、目に見えるものだけでなく、人の心や生活を支えている
・職業や働き方は時代とともに変化していて、多様な選択肢がある
・働くことを通じて得られるのは、お金だけでなく、やりがいや成長もある
・日常の中の「働く人」を通して、子どもと一緒に社会とのつながりを感じよう