ロシア・ウクライナ戦争は、従来の戦争とは異なる特徴を持っています。戦車や歩兵が主役だった過去の戦争とは異なり、ドローンや長距離ミサイル、電子戦が重要な役割を果たしており、戦術もそれに適応する形で進化しています。
この記事では、ロシア軍とウクライナ軍がそれぞれどのような戦術を用いているのかを詳しく解説し、戦場のリアルな状況を伝えます。記事の最後には、「おやこトークタイム!」で子どもにも分かりやすく説明する方法を紹介します。
1. ロシア軍の戦術:物量と火力の戦い
ロシア軍は圧倒的な兵力と火力を駆使して戦うスタイルを採用しています。その基本的な戦術には、以下のような特徴があります。
① 火力集中戦術(砲兵優位の戦い)
ロシア軍の戦い方の中心は、砲兵を主軸とした火力戦です。戦車や歩兵を前進させる前に、大量の砲弾を使って敵の防衛ラインを破壊し、その後に地上部隊を投入します。
- 大量の砲撃でウクライナ軍の陣地を破壊
- 長距離ミサイルを使用し、補給線を遮断
- 歩兵が前進する前に、敵の戦力を極力減らす戦術
② 防御陣地の強化
ロシア軍は、長期戦を見越して防御陣地を強化しています。
- 塹壕(ざんごう)を何層にも掘り、ウクライナ軍の攻撃を遅らせる
- 対戦車障害物(ドラゴンティース)を配置し、ウクライナ軍の装甲車両の進軍を阻止
- 広範囲に地雷を敷設し、ウクライナ軍の進軍を妨害
③ 電子戦による通信妨害
ロシア軍は、ウクライナ軍の通信やドローンの使用を妨害するために電子戦を活用しています。
- ドローンのGPS信号を妨害し、コントロール不能にする
- ウクライナ軍の通信ネットワークを妨害し、戦場での情報共有を困難にする
ロシア軍の戦術は、物量と火力を駆使して敵を圧倒するものであり、第二次世界大戦以来の戦い方を基本としながらも、最新の技術を取り入れています。
2. ウクライナ軍の戦術:機動力と創造力で戦う
ウクライナ軍は、ロシア軍の物量作戦に対抗するために、柔軟で機動力のある戦術を採用しています。
① 機動戦(ヒット&アウェイ)
ウクライナ軍は、正面衝突を避け、迅速な移動でロシア軍をかく乱する戦い方を取っています。
- 戦車や歩兵戦闘車を使い、短時間で敵陣を攻撃し、すぐに撤退
- ロシア軍の補給路を狙い、兵站を混乱させる
この戦術により、ロシア軍はウクライナ軍を捕捉しにくくなっています。
② ドローンとゲリラ戦
ウクライナ軍は、ドローンを積極的に活用し、小規模部隊による奇襲を繰り返しています。
- ドローンを使ってロシア軍の位置を特定し、正確に攻撃
- 小規模なゲリラ部隊がロシア軍の後方拠点を攻撃し、混乱を引き起こす
③ 防空システムとミサイル攻撃
ロシア軍のミサイル攻撃に対抗するため、ウクライナ軍は西側の防空システムを活用しています。
- パトリオットミサイルなどを使用し、ロシアのミサイル攻撃を迎撃
- 自国製のネプチューンミサイルを用い、ロシア軍の重要拠点を攻撃
ウクライナ軍は、西側諸国の技術支援を活かしながら、ロシア軍の大規模な攻撃に対抗しています。
【おやこトークタイム!】子どもに伝える方法
戦争の戦術を子どもに説明するためには、難しい言葉を避け、身近な例えを使うことが大切です。
子どもにこう話してみよう
「ロシアとウクライナは、それぞれ違う作戦で戦っているんだ。ロシアは『たくさんの道具や人を使って、相手を押しつぶす』戦い方をしているよ。でも、ウクライナは『すばやく動いて、相手の弱いところを攻撃する』作戦をしているんだ。
たとえば、ロシア軍は大きなゾウのような戦い方。ゾウは強くて大きいけど、動きが遅いよね。一方、ウクライナ軍は小さくてすばやいネコみたいな戦い方をしているよ。ネコは素早く動いて、ゾウの目が届かないところから攻撃するんだ。」
まとめ
- ロシア軍は大量の砲撃と物量作戦で敵を圧倒する戦術を採用
- ウクライナ軍は機動力とドローンを活用したゲリラ戦で対抗
- 電子戦やミサイル戦が重要な要素となり、戦場の様相を変えている
- 今後の戦況は、どちらの戦術が効果的に機能するかに左右される
ロシア・ウクライナ戦争は、最新技術と伝統的な戦術が融合した新しい形の戦争となっています。今後も、戦場での戦術の進化に注目が集まるでしょう。