モアイ像はどうやって運ばれた?“歩いた石像”の謎に迫る

イースター島で研究者と地元の人々がモアイ像をロープで左右に引きながら移動させている再現実験の様子。歩くように進むモアイ像の運搬方法を視覚的に示す写真風イメージ

モアイ像 運搬 方法は長く議論されてきました。
丸太で転がす説と、ロープで“歩かせる”再現実験。この記事では要点→図解→比較の順で最短理解できるように整理します。

先に結論:立てたまま前進させる方法は、路面条件・人数・テンポがそろうと現実的。
一方で丸太転がしにも成立しやすい場面があります。条件の違いを見極めるのがポイントです。

こちらの記事もおすすめ
▶︎ なぜモアイ像は作られたのか?その意味と目的をわかりやすく解説

運搬方法の全体像(2分で把握)

  • 方法は大きく2系統:①丸太転がし(水平移動)/②“歩かせる”(直立のまま左右にゆすって前進)
  • “歩かせる”のポイント:両側からロープで交互に引く→像の重心が支点を超える→微小な回転で前へ
  • 成立条件(概略):路面の摩擦・傾き・人数・テンポが噛み合うこと
  • 安全面:制動役と合図役を明確にし、テンポを固定する

巨大な石像は、どこからどこへ動かされたのか?

まず前提として、モアイ像のほとんどはイースター島のラノ・ララク火山のふもとで作られたと考えられています。

そして完成したモアイ像は、そこから島内の各地へ運ばれ、海岸沿いの「アフ(石の祭壇)」の上に立てられました。

ラノ・ララクから海岸線までの距離は場所によって違いますが、数キロから十数キロの道のり。
しかも、整備された道路などはありません。

この巨大な像をどうやって運んだのか。それが長年の謎となっていたのです。

かつて信じられていた「丸太で転がす」説

イースター島の古代ポリネシア人が木の丸太を並べて、巨大なモアイ像を寝かせた状態で運搬している再現画像。かつて有力とされていた転がし式運搬法をリアルに示す写真風構図

以前は、モアイ像を木の丸太の上に寝かせて転がして運んだという説が有力でした。

  • 丸太の上をゴロゴロと転がす
  • あるいは、そり状の台に乗せて引っ張る

たしかに合理的な方法に思えますが、この方法には大きな問題がありました。

それは、「そのためには大量の木を伐採しなければならない」ということ。

実際、イースター島では森林がほとんど残っておらず、過去に急速な環境破壊があったとされています。

木を使いすぎた結果、文明が衰退したのではという説もあるほどです。

「モアイ像は歩いた」説の登場

イースター島の草原に立つモアイ像の前に長い小道が伸びる写真風構図。像の移動や過去の運搬の歴史を象徴する印象的なビジュアル

そんな中、21世紀に入り注目されたのが**「ウォーキング・モアイ」仮説**です。

これは、モアイ像を立てたまま左右に揺らすようにロープで引っ張ると、**“歩くように前に進む”**という移動方法です。

実際にアメリカの研究チームがこの方法を使って、人の手だけでモアイ像(レプリカ)を前進させることに成功しました。

  • 片側ずつ交互に引くことで、像が左右に揺れながら進む
  • 像の下部が丸みを帯びている形状も、「歩かせる」ために設計されていた可能性がある

この「歩くように進む」方法は、モアイ像の形と一致しているという点でも信ぴょう性が高まっています。

“歩く”再現実験のしくみ

仕組みはシンプルです。左→右→左…交互にロープを引くと、像の底面が支点になってわずかに回転し、重心が前に移って一歩ぶんだけ進みます。

  • 横方向の引きが回転(ヨー)を生み、回転→前進に変わる
  • 引く強さよりリズム(テンポ)が重要
  • 倒れない鍵は「支点の管理」と「制動役

実験条件のまとめ表

項目目安メモ
路面固めの土/軽い砂利深い砂・泥だと難易度UP
傾きほぼ水平(±1–3°)片流れ防止。下り勾配は危険
ロープ本数左右+背面制動=計3系統前方誘導は不要、合図役を置く
人数片側3–6名+制動1–2名合計10〜15名程度を目安
テンポ1サイクル/秒前後一定リズムが最重要
安全制動役/合図役の明確化手袋・靴・退避合図を事前共有

丸太転がし説との比較

観点“歩かせる”丸太転がし
必要資材ロープ中心丸太(本数多)+整地
路面依存(水平寄りで有利)(轍・段差に弱い)
姿勢直立維持横倒し(再起立が必要)
制御リズムで微調整段差で制御が難しい
リスク倒れ込みを制動で抑制転がり過ぎ・復元作業が負担

結論直立維持小刻みな制御が求められる場面は“歩かせる”が有利。大量の丸太・長距離の整地が可能なら丸太転がしも成立しやすい。

なぜ「寝かせて運ぶ」のではなく「立てたまま」なのか?

これも、近年の研究で見えてきた文化的背景があります。

モアイ像は、祖先の力が宿る“生きた像”とされていました。
だから、作った直後からすでに神聖な存在
であり、むやみに横倒しにしてはいけないという考えがあったとも言われています。

「立ったまま運ぶ」ことで、祖先の霊に敬意を払っていたのかもしれません。

つまり、「歩いた」というのは単なる技術的な話ではなく、信仰と文化に根ざした選択でもあったと考えられます。

科学の目と伝承が重なる瞬間

このウォーキング説がすごいのは、「まさか」と思われた伝説を、科学が**“再現できた”**という点にあります。

イースター島の一部の言い伝えには、モアイ像について「自分で歩いて場所についた」という話も残されています。

昔の人が見たのは、人の手で像が左右に揺れながら前進する姿だったのかもしれません。
それが、時を経て「歩いた」という言葉に変わっていったとも考えられます。

親子トークタイム!子どもにどう伝える?

モアイ像が歩いたって、本当?
この話は、子どもにとっても「へえ!」と驚きと好奇心を呼ぶテーマです。

説明するときは、まず「重さ」と「距離感」を伝えてあげましょう。

「モアイ像って、車より重たいんだよ。そんな石を、人の力だけで村まで運んだんだって。昔の人ってすごいよね。」

そこから、問いかけてみてください。

「そのまま持ち上げられないし、寝かせて転がしたら、顔が傷つくかもしれないよね。
じゃあどうしたんだと思う?」

そしてこうつなげます。

「最新の研究では、左右に引っ張って“揺らすように歩かせた”っていうんだって。だから、モアイ像は歩いたって言われてるんだよ。」

技術と想像が重なる瞬間を、親子で共有できる会話になります。

Q
どれくらいの人数が必要?
A

片側3–6名+制動1–2名を目安に、像の大きさと路面で調整します。重要なのは人数よりテンポです。

Q
下り坂のほうが楽?
A

危険です。制動が効きにくく、勢いで転倒リスクが上がります。基本はほぼ水平で。

Q
直立のまま運ぶ利点は?
A

再起立の手間を省けることと、小刻みな制御がしやすいことです。

まとめ

モアイ像の運搬方法は、長年にわたり大きな謎とされてきました。
従来は「丸太で転がす」説が主流でしたが、森林資源の減少や像の形から見て不自然な点もありました。

近年では、「立てたまま歩かせた」というウォーキング・モアイ説が実験により裏付けられ、現実味を帯びてきています。

これは単なる“移動の工夫”ではなく、モアイ像が祖先の力を持った存在として敬われていた文化的背景とつながるものです。

科学と信仰が重なるとき、私たちはそこに「人間の知恵」と「想い」の両方を見ることができます。

この投稿の筆者
に関連する投稿
イースター島に立つ巨大なモアイ像の前に、小さな人物が見上げる構図。人がこの像を作ったことを象徴的に伝えるリアルなビジュアルで、歴史と問いかけを感じさせる
モアイ像とは誰が作ったのか?いつ、なぜ、何のために作られたのかを探る
宮崎県日南市のサンメッセ日南に並ぶ7体のモアイ像が太平洋を背に立つ写真風の画像。日本にあるモアイ像の存在と景観をリアルに伝えるビジュアル
モアイ像と日本の関係って?なぜ宮崎にあるの?
イースター島の夕景に立つモアイ像のリアルな写真。太平洋を背に暖かな夕日が当たり、文化的神秘と静けさを表現した印象的な構図
なぜモアイ像は作られたのか?その意味と目的をわかりやすく解説
モアイ像はどこにあるのか?イースター島の場所と世界遺産の秘密
イースター島の草地に立つモアイ像が首から上だけ地表に出ている様子をリアルに表現した写真風画像。下半身が地中に埋まっていることを自然に示した構図
モアイ像の下半身(全身像)はある?発掘写真の真相をやさしく解説
夕暮れのイースター島で、バックパックを背負った人物が巨大なモアイ像を見上げている様子を描いたリアルな写真風画像。スケール感と知的な探究心を刺激する構図
モアイ像とは?起源・場所・運搬方法を3分で図解【イースター島】
こちらの記事もおすすめ
小学生におすすめの地球儀はこれ!選び方と厳選4モデルを親目線で解説
小学生におすすめの地球儀はこれ!選び方と厳選4モデルを親目線で解説
天体観測におすすめの双眼鏡5選|月や星がよく見えるモデルを厳選比較
天体観測におすすめの双眼鏡5選|月や星がよく見えるモデルを厳選比較
地球儀のおすすめ10選【2025年版】|小学生・中学生・大人向けの選び方と厳選モデル
地球儀のおすすめ10選【2025年版】|小学生・中学生・大人向けの選び方と厳選モデル
分子模型キットで水や二酸化炭素、メタンの構造が組み立てられているリアルなイメージ
分子模型キットで学ぶ!家庭でできる化学入門
【2025年版】子どもにおすすめの虫眼鏡6選|倍率・使いやすさ・安全性で厳選
理科好き必見!おしゃれで学べるインテリア『本物の元素周期表』
目的別おすすめ天体望遠鏡ランキング|初心者・子ども・スマホ撮影・持ち運びまで完全ガイド
目的別おすすめ天体望遠鏡ランキング|初心者・子ども・スマホ撮影・持ち運びまで完全ガイド
遊びながら地理が好きになる!地球儀アクティビティ10選
遊びながら地理が好きになる!地球儀アクティビティ10選
家のベランダや公園で気軽に楽しむ!コンパクト望遠鏡特集
家のベランダや公園で気軽に楽しむ!コンパクト望遠鏡特集
月の土地は本当に買える?権利書が届く“月オーナー”になる方法を徹底解説
月の土地は本当に買える?権利書が届く“月オーナー”になる方法を徹底解説