夜空を見上げて「一番明るい星はどれ?」と聞かれたら、シリウスと答える人が多いかもしれません。
でも実は、見えている明るさと、星が本当に持っている明るさはまったく違うものなんです。
この記事では、「星の明るさ」について、目に見える“見かけの明るさ”と、“実際の光の強さ”を区別しながら、やさしく解説していきます。
シリウスはたしかに明るい。でも一番ではない?
シリウスは、おおいぬ座にある恒星で、地球から肉眼で見える星の中でいちばん明るく輝いています。
冬の夜空では特に目立つので、見つけやすい星のひとつです。
でも、これは**「地球から見たときの明るさ(見かけの明るさ)」**なんです。
実は、シリウスの明るさは「太陽の約25倍」ほど。
宇宙には、これよりはるかに明るい星がいくつもあります。
星の明るさには2つある

星の明るさには、次の2種類があります。
- 見かけの明るさ(視等級)
地球から見たときの明るさ(近ければ明るく見える) - 本当の明るさ(絶対等級)
「どの星も同じ距離にあったとしたら、どれだけ明るく見えるか」を比べた明るさ
たとえば、遠くにあるのにとても明るく見える星は、実際の光の力(エネルギー)が強いということ。
逆に、近くにあっても少し暗めに見える星は、光の力が弱めなのかもしれません。
宇宙で“本当に明るい星”は?

では、見た目ではなく「実際に一番明るい星」はどれなのでしょう?
それは、**LBV 1806-20(Luminous Blue Variable 1806-20)**など、
超大質量で超高輝度の“モンスター級”の星たちです。
- 太陽の数百倍〜数千倍の明るさを持つ
- 青白く輝き、寿命はとても短い(数百万年)
- 爆発的に明るくなったあと、超新星になることもある
ただし、これらは遠くにあるため、地球から肉眼では見えません。
だからこそ「明るさ=見えること」ではない、という事実に気づけるのです。
親子トークタイム!子どもに伝える方法
このテーマは、「見えるもの」と「本当にあるもの」のちがいに気づく、科学的な考え方の第一歩になります。
こんな問いかけから、会話を広げてみてください:
- 夜空で一番明るい星って、どうしてあんなに目立つのかな?
- 太陽って、明るい星なの?
- 近くにある星と、遠くにある星では、どっちが明るく見える?
- “目に見える”って、本当の姿と同じなのかな?
こうした疑問は、星に限らず、身の回りの「見た目と中身」のちがいに目を向けるきっかけにもなります。
明るくても見えない星もある?
実は、宇宙には「光をほとんど反射しない星」もあります。
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明るさが“あるかないか”ではなく、「どう見えるか」「なぜ見えるのか」に注目すると、星のしくみがもっと面白くなります。
宇宙の明るさをもっと身近に感じたい人へ
星の明るさを感じるなら、まずは空を見上げてみるのがいちばん。
そしてそのためには、**星がよく見える“道具”**があると、さらに楽しめます。
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「光を見る」「距離を知る」「明るさを感じる」
そんな体験を、家族で味わってみるのも素敵です。
まとめ:見えている明るさだけが“本当”とは限らない
夜空で光っている星たちは、それぞれにちがう明るさを持ち、ちがう距離にあります。
近くにある星は目立つけれど、遠くにある星のほうが、ずっと強く光っているかもしれません。
大切なのは、「どのくらい明るく見えるか」だけじゃなく、
「どうしてそう見えるのか」を知ろうとすること。
それが、星の世界をもっと深く楽しむためのヒントになります。