自動運転のニュースでよく出てくる「レベル3」という言葉。レベル2と何が違うのか、実際にその車はどんな場面で“運転してくれる”のか、気になったことはありませんか?
この記事では、レベル3の意味、使える条件、2025年3月現在で買える車種、そしてその先にある課題までを、親子で一緒に学べるようにわかりやすく紹介します。
レベル3ってどんなレベル?
レベル3は、自動運転の中でも「条件付き自動運転」と呼ばれる段階です。特定の状況であれば、人の代わりに車がすべての操作を行ってくれるのが大きな特徴です。
たとえば高速道路の渋滞時など、限定されたシーンでは車が前方を認識し、自動で加減速やハンドル操作を行い、人は操作をしなくてもOKとされています。スマホを見たり、動画を観たりすることも一部許されます。
ただし、緊急時には人がすぐに対応しなければならないという条件があるため、完全に“ほったらかし”ではないのがポイントです。
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レベル2との違いは「責任の所在」
レベル2の車もかなり高機能で、車線キープや自動ブレーキ、前の車との距離調整などをこなします。しかし、あくまで“運転支援”なので、すべての責任は運転手にあります。
一方、レベル3では、「特定の条件下においては車が運転の主体になる」と法律上も認められており、その間に起きた運転ミスは車やメーカー側に責任が発生する可能性が出てきます。
この「誰が運転しているか」の考え方の違いが、レベル2と3を分ける最も大きなポイントです。
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今買える!レベル3対応の市販車種(日本)
2025年3月時点、日本国内で購入またはリース可能なレベル3対応車は限られていますが、着実に数は増えつつあります。
ホンダ・レジェンド(Honda Sensing Elite)

- 世界初のレベル3認可市販車(日本国内でリース販売)
- 「トラフィックジャムパイロット」搭載:高速道路の渋滞時、自動運転に切り替わる
- 2021年発売以降、限定生産で実績を積み上げ中
メルセデス・ベンツ Sクラス(Drive Pilot)

- 2024年、日本でも国土交通省による型式認可取得
- 一定の条件下(渋滞+低速)でレベル3運転が可能
- 「運転主体が車」となる時間帯を明確に区切った設計が特徴
※一部報道では、トヨタや日産も2025年中にレベル3対応車を発表予定とされており、各メーカーが本格導入へ動いています。
レベル3に必要な法整備と技術
レベル3の導入には、車両の機能だけでなく社会制度の整備が不可欠です。
- 緊急時の「ハンドオーバー(人への引き継ぎ)」が確実にできること
- 誰が責任を持つのかを明確にする法律と保険の枠組み
- レベル3運転中にドライバーが何をしていてよいか(読書・スマホなど)に関するガイドライン
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レベル3の課題とこれから
- 使用条件が限られている:高速道路や渋滞時など、対応範囲が狭い
- 価格帯が高い:現状では高級車中心で、普及にはコストの壁がある
- 技術的・倫理的課題:引き継ぎが遅れた場合の責任、判断アルゴリズムの透明性
- 利用者の理解不足:機能の限界を知らないまま使われる危険性
このためレベル3は、「革命的技術」であると同時に、「誤解されやすく、誤用がリスクになる技術」でもあるといえます。
親子トークタイム!子どもに伝える方法
レベル3の自動運転は、“車が運転する”という未来のイメージを現実にした、はじめての段階です。でも、それは“何でもOK”な魔法ではなく、「使い方をわかっていないと危ない」道具でもあります。
子どもにとっては、「責任を持って使う技術とは何か?」を考える入り口にもなります。
子どもにこう話してみよう!
「最近は、車が運転してくれる時代になってきたんだ。でも、じつは“人が何もしなくていい”ってわけじゃないの。」
「たとえば高速道路で渋滞してるときだけは、車がぜんぶやってくれる。でも、その後に“危ないかも!”って思ったら、人がすぐにハンドルを持たなきゃいけないんだよ。」
「だから、“自動”って聞いても、ちゃんと“どこまでが自動で、どこからが人の仕事か”を分かって使うのが大事なんだね。」
まとめ
レベル3の自動運転車は、「車が運転の主体になる」という意味で、これまでの技術とはまったく異なるフェーズに入ったことを示しています。
実際に日本でもホンダ、メルセデス・ベンツをはじめとしたメーカーが導入を進めており、社会や制度の整備とともに、着実に拡大していくと見られます。
ただし、使う人の理解がなければ、安全は成り立ちません。
だからこそ、親子で「自動運転とは何か」「その責任は誰にあるのか」を一緒に学ぶことに意味があります。